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下水道点検と調査の基礎知識:効果的な機器の選択と使用方法 (第8話)

2021年5月12日水曜日

押込みカメラ 管口カメラ 簡易直視式カメラ 洗浄一体型カメラ 調査 点検

管 とおる

みかんちゃん、下水管にはさまざまな異状があるってこと分かったかな?
→前回の話【緊急度判定の第一歩 ~下水管の異状~】←

諏訪 美管

はい。ヒビとかたるみだけじゃなくあんなにいろいろな異状があるんですねぇ~。 ラット君、いろいろ教えてくれてありがとう!

ラット君

僕もまだまだ勉強中だけど、僕に分かることならなんでも聞いてね。
ありがとう♡
(喋るネズミ(笑)。か、かわいい(//∀//))
さて管の異状が分かったところで、いよいよ点検で異状を見つけていきたいんだけど、 点検機器の選び方にはひと工夫必要なんだ!
どういうことですか?
下水管って地域や地形によって、下水管の中の状況が違うんだ。
だから、効率よく点検するために、下水管の状況に合わせた機器を使うことが重要なんだよ。








下水管の中は場所によってどのようにちがうの?



様々な場所の管内状況
①土砂が多い場所

②水位が多い場所

③蜘蛛巣が多い場所

④木の根が多い場所

⑤道路幅が狭くて大きな車が入れない場所


わぁ~管の中って状況によってこんなにちがうんだぁ~。
それに管の中だけじゃなくて地上の場所も機器選びに関わってくるんですね!
そうそう。例えば街路樹付近の下水管は木根が侵入してる箇所が多い。集合住宅が多い場所は下水管を流れる水量が多いとかね。
点検機器っていろいろあるけど状況に適した点検方法を行うのがベストなんだ。
次は点検方法の種類について説明するね!



下水管の点検方法はさまざま!



現在、一般的に行われている点検方法は上の表の調査機器を使って行ってるんだ。

点検方法の種類
①管口カメラ(ズームで管内を確認)

②押込みカメラ(押し込んで管内を確認)

③洗浄一体型カメラ(洗浄と同時に管内を確認)

④簡易直視式カメラ(自走して管内を確認)


ふむふむ。
自走したり押し込んだりズームしたり。洗浄と同時に確認する方法もあるんですか!
基本的に点検は下水管を清掃せずに見るんだけど、洗浄と同時に管内を確認する方法もあるんだよ。
そろそろ座学も疲れてきたと思うから、イベントの中で説明するね!
ん・・?イベント???




点検機器の使い分け


さあ、はじまりました!第1回下水道点検機器クイズ大会です。
出場者は、ただのOLみかんちゃんと異世界大学首席のラット君です!


えええ~~!!聞いてません!
てか、ラットくんて異世界大学トップなのー!?
クイズは選択式!さっき説明したこの4つの中から選んでね!
①管口カメラ(ズームで管内を確認)
②押込みカメラ(押し込んで管内を確認)
③洗浄一体型カメラ(洗浄と同時に管内を確認)
④簡易直視式カメラ(自走して管内を確認)
KANMAGAを読んでいるみなさんもぜひ一緒に考えてみてください!
みかんちゃん!一緒にがんばろう!!
はいぃ~~!!
それでは【第1問】
見通しが良い管を点検する場合、一番コストパフォーマンスが良く1日にたくさん管の中を見れる機器はどれ?

【①管口カメラ】【②押込みカメラ】【③洗浄一体型カメラ】【④簡易直視式カメラ】
正解は【①管口カメラ】
マンホールに入らずに管口からズームで管内を点検するから安全で1日にたくさん管の中を見れるんだ! ただし蜘蛛の巣やモヤなど見通しが悪いところでは力を発揮できないんだ。
2人とも、大正解!

管口カメラ
ファーストビュー

ポールの先端に取り付けられた照明付きズームカメラによって管内を点検。
高画質映像で作業員がマンホールにおりることなく安全に管内を確認できます。









【第2問】水位が高い管や土砂が多い管、大口径の管にも適した点検機器は?

【①管口カメラ】【②押込みカメラ】【③洗浄一体型カメラ】【④簡易直視式カメラ】
正解は【③洗浄一体型カメラ】これを使えば管内の土砂を綺麗にして、同時に管の中も見れるんだ!
みかんちゃん残念、自走車や押込みカメラは普通の管ならベストなんだけど、土砂が多い場所では進む時に土砂が邪魔をして、力を発揮できないんだ。

洗浄一体型カメラは水位や蜘蛛の巣にも強く、大口径管とかいろんな状況にも対応できるよ。
ラットくん一歩リード!よく勉強しているね~!

洗浄一体型カメラカメラ
クリーンビュー

クリーンビューは、洗浄と撮影を同時に行う洗浄一体型カメラです。
ハイビジョン映像による鮮明なデータをもとに詳細調査が必要な管かどうか点検し、スクリーニングに最適です。


Φ350映像






いよいよ次が最終問題!最終問題の得点は10000点です!
うわーーー最終問題あるあるですねー(;>◇<)
【最終問題】
管の中を見ながら点検できる機器は??

【①管口カメラ】【②押込みカメラ】【③洗浄一体型カメラ】【④簡易直視式カメラ】
んー①か②だと思うんだけど、、どっちだろう???
正解は【①管口カメラと②押込みカメラ】でした!!!
この2つは管の中をリアルタイムで見ながら点検できるから、異状箇所をズームしたり異常に文字をつけたりすることができるんだ。
みかんちゃんお見事!!!!

③洗浄一体型カメラと④簡易直視式カメラは管内を撮影したデータはSDカードに保存されるから、後でパソコンやタブレットで確認する必要があるんだ。

押込みカメラ
アジリオス

アジリオスは、鮮明な映像と首振り機能や自動水平などのさまざまな機能を搭載した押込み式管内調査カメラです。
挿入性の高いカメラヘッドやレーザースケール機能などで管の異常箇所も楽々計測!


ソロプロ

ソロプロは、鮮明な映像とさまざまな機能を搭載した押込み式管内調査カメラです。
カメラヘッドとケーブルリールを自由に組み合わせることができ、コントローラも操作性バツグンです。


ということで優勝は予想外の展開でみかんちゃんでした!!
とおるさん、抜き打ちチェックにも程があります(汗)
最後の問題も正直まぐれ感がすごいですが、これを機に楽しく学べました!!
みかんちゃん!おめでとう!!次は負けないよ!
2人ともよくがんばったね!
クイズでも出てきたように点検機器はそれぞれが得意とする場所で力を発揮するのが一番効率がいいんだよ! 表にするとこんな感じ。
点検機器 点検方法 メリット デメリット
管口カメラ ズームで確認 リアルタイムで管内を確認できる。可搬性がよい。マンホールに入らないから安全に作業 蜘蛛の巣やモヤがあると視認できない。管壁の異状は5m程度しか確認できない。スパンが長いと視認できない箇所が発生する可能性がある。
押し込み
カメラ
カメラを押し込んで確認 リアルタイムで管内を確認できる。距離がわかる 土砂があると押せない。水位があるとカメラが水没する。
洗浄一体型
カメラ
洗浄と同時に確認 蜘蛛の巣、モヤ、水位、土砂があっても管内を確認できる。点検と同時に管内洗浄ができる。 道が狭い渋滞街では可搬性がわるい。リアルタイムで映像が見れない。
簡易直視式
カメラ
管内を走行して映像を確認 簡易的に管内全ての映像を収録できる 土砂があると走行できない。蜘蛛の巣がカメラに付着する可能性が高い
なるほど~!こうやって点検機器を使い分けるんですね~!これ完全装備してたらどんな場所でも最強ですね!! でも、全部揃えたら高そう、、、。
まあね。確かに1台ですべての状況に対応できるオールマイティな機器があればいいよね。
たしかにそうですね~
でもね、1台に全部の機能を詰め込みすぎてそれぞれが得意とする性能を落とすよりも、管の状況に応じてそれぞれの機能をフルに活かせる専用機器を使い分けた方が、正確に点検ができて、その町に暮らすみんなの安全なくらしや信頼にもつながっているんだよ。
なるほど~!なんだかトオルさんて点検機器のソムリエみたいです!
わたしもトオルさんみたいに「この状況にはこの機械です!」って現場で困っている人たちを助けられるよう、もっと勉強します!!



↓この記事で登場した製品↓
ファーストビュー
クリーンビュー
アジリオス
ソロプロ
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