この記事の概要:下水道維持管理業界における、一般的な積算の方法について(41話-前編)
管 とおる
諏訪 美管
その工事にいくらかかるか計算することが積算なんですよね。で、その工事費はいろいろな種類に分かれていて、労務費は歩掛っていうのをもとに計算したり、直工費に該当する工事費があったりするんでしたよね!
そう!それじゃあ積算の基本が分かったところで、今回は下水道維持管理に関する積算の方法について、
公益社団法人 日本下水道管路管理業協会から出版されている[下水道管路管理積算資料-2023-]をもとに解説していくよ。
公益社団法人 日本下水道管路管理業協会から出版されている[下水道管路管理積算資料-2023-]をもとに解説していくよ。
下水道維持管理に関する積算の方法
では、下水道の維持管理の積算について、簡単に説明するね。
一般的な考え方の例だから、これが全てじゃないことを理解して。
一般的な考え方の例だから、これが全てじゃないことを理解して。
はい、わかりました。
それでは、本管TVカメラ調査を例にして、積算してみよう。
本管テレビカメラ調査の積算例
TVカメラ調査工は、管渠洗浄工とTVカメラ調査工の2工種あるので、それぞれを計上します。管渠洗浄工
管渠洗浄工は、高圧洗浄車運転工と給水車運転工を計上
標準として、機械損料、労務費はあるけれど、金額についてはブランクにさせていただくよ。
-
高圧洗浄車運転工:
清掃技師、清掃作業員、特殊運転手、高圧洗浄車損料、軽油 -
給水車運転工:
一般運転手、給水車損料、軽油
標準として、機械損料、労務費はあるけれど、金額についてはブランクにさせていただくよ。
労務費と機械損料を入れて、B-1の高圧洗浄車運転工とB-2の給水車運転工を足せば、1日の洗浄工の金額が出るんですね。
1日の金額が出たら、日進量で割れば、1mあたりの単価がでるんだ。
洗浄工の一般的な日進量は555mだよ。
1mあたり、〇〇円ってでたら、設計の数量に掛け合わせれば、全体の金額が出るね。
では、本管TVカメラ調査について説明するよ。
1mあたり、〇〇円ってでたら、設計の数量に掛け合わせれば、全体の金額が出るね。
では、本管TVカメラ調査について説明するよ。
本管TVカメラ調査工
本管テレビカメラ調査工(直視側視式)は、現場の費用と報告書作成工の各々を計上するよ。
標準として、機械損料、労務費はあるけれど、金額についてはブランクにさせていただくよ。
-
本管テレビカメラ調査工:
調査技師、調査技師補、調査助手、TVカメラ損料 -
報告書作成工:
管理主任技師、管理技師、調査技師、調査技師補、諸経費
標準として、機械損料、労務費はあるけれど、金額についてはブランクにさせていただくよ。
1日の金額が出たら、日進量で割れば、1mあたりの単価がでるんだ。
TVカメラ調査工の一般的な日進量は280m
報告書作成工は560m
1mあたり、〇〇円ってでたら、設計の数量に掛け合わせれば、こちらも全体の金額が出るね。
報告書作成工は560m
1mあたり、〇〇円ってでたら、設計の数量に掛け合わせれば、こちらも全体の金額が出るね。
これで、管渠洗浄工とTVカメラ調査工の費用が出ましたね。
次に、共通仮設費を計上するよ。
安全に関わるものを計上していくけど、今回はガードマン費用だけを計上してみるね。
設計数量を日進量で割れば、作業日数が算出されるから、その日にちでガードマンの費用を計上だね。
安全に関わるものを計上していくけど、今回はガードマン費用だけを計上してみるね。
設計数量を日進量で割れば、作業日数が算出されるから、その日にちでガードマンの費用を計上だね。
補修や改築であれば材料費がいるけど点検や調査だと、材料費が無いから、直接作業費として、労務費、機械損料を計上。
1日のかかる費用を算出して、日進量で割れば、1m当りの単価がでる。
そこから、設計数量を掛けてあげれば費用が算出できるね。
そこに、共通仮設費を足してあげる。
1日のかかる費用を算出して、日進量で割れば、1m当りの単価がでる。
そこから、設計数量を掛けてあげれば費用が算出できるね。
そこに、共通仮設費を足してあげる。
上の表で言うと【A-1】の管内の洗浄、【A-2】のテレビカメラ調査、【C-1】の報告書作成と【共通仮設費】が、直工費と呼ばれる費用なんですね。
その他として、一般管理費、現場管理費が利率計上されるんだ。
規模が小さければ、全体の総作業費は、直工費の2.5倍くらい。
規模が大きくなれば、2倍、1.5倍と小さくなっていくよ。
なんかまた難しそうなこと言ってますけど、前回教えていただいた、一定の割合をかけて簡単に計算できる「率計上分」っていう計算方法ですね!
下水道維持管理の調査業務の標準的な日進量は?
では、下水道の維持管理の積算に必要な項目について日進量があるけれど、工種における標準の作業員数量と日進量は以下の通りだよ。
ここも、協会の一般的な考え方の例だからこれが全てじゃないことを理解してね。
また、工法も機械も進歩は日進月歩。
常に、新しい情報を取って、アンテナを張ることも重要だよ。
ここも、協会の一般的な考え方の例だからこれが全てじゃないことを理解してね。
また、工法も機械も進歩は日進月歩。
常に、新しい情報を取って、アンテナを張ることも重要だよ。
工種 | 現場人数 | 報告書人数 | 現場作業 日進量 |
報告書 日進量 |
---|---|---|---|---|
巡視工 | 3人 | 3.3人 | 3000m/日 | 1800m/日 |
点検工 地上点検工 |
3人 | 3.3人 | 40基 | 80基 |
点検工 管口カメラ点検工 |
4人 | 3.3人 | 25基 | 50基 |
視覚調査工 マンホール目視調査工 |
3人 | 3.3人 | 25基 | 50基 |
視覚調査工 潜行目視調査工 |
8人 | 3.3人 |
800~1000未満 400m/日 1000~1500未満 500m/日 1500~2000未満 600m/日 |
1000m/日 |
視覚調査工 本管カメラ調査工・小中口径(800未満) |
4人 | 3.3人 | HP,VU 280m/日 TP 150m/日 新管 400m/日 |
560m/日 300m/日 1000m/日 |
視覚調査工 本管カメラ調査工・大口径(800~1500) |
5人 | 3.3人 | 280m/日 | 560m/日 |
視覚調査工 本管カメラ調査工・大口径(1500~2000) |
7人 | 3.3人 | 300m/日 | 600m/日 |
取付カメラ調査工 | 6人 | 3.3人 | 公道 30箇所 宅地内 21箇所 |
80箇所 |
洗浄工 | 4人 | 555m |
工事の種類によって日進量は様々なんですね。積算って難しいけど、どうやってTV調査の金額が算出されるか、基本的なことが分かりました。
積算の考えかた
最後に、公共事業における積算の目的は
発注者目線でいうと、予定価格を算出する。
受注者目線でいうと、予定価格を予想する。
入札は、一番低い価格を提示した業者が落札するけれど、仕事を取りたいからと言ってあまり安い金額で入札されると、競争の促進に繋がらず、多様な業者から最適な提案や価格を引き出すことができなくなるよね。
だから、最低制限価格って項目もあるんだよ。
発注者目線でいうと、予定価格を算出する。
受注者目線でいうと、予定価格を予想する。
入札は、一番低い価格を提示した業者が落札するけれど、仕事を取りたいからと言ってあまり安い金額で入札されると、競争の促進に繋がらず、多様な業者から最適な提案や価格を引き出すことができなくなるよね。
だから、最低制限価格って項目もあるんだよ。
最低制限価格とは?
最低制限価格とは、公共事業の入札において、入札者が提示することができる価格の下限を定めた価格のことを指します。
この価格より低い入札は無効とされます。
最低制限価格を設ける目的や特徴は以下の通りです:
品質の確保
-
あまりにも低い価格で落札された場合、提供されるサービスや工事の品質が低下するリスクがあります。
最低制限価格を設定することで、一定の品質を維持するために必要なコストを確保します。
適正な競争の促進
-
極端なダンピング(不当な安値での入札)を防ぐことができます。
これにより、公正な競争環境を維持します。
業者の健全性の確保
- 適正な価格で受注することにより、業者が適正な利益を確保できるようにし、業者の経営の健全性を保つことができます。
信頼性の向上
- 適正な価格で契約を締結することで、発注者と受注者の間の信頼関係を維持し、プロジェクトの円滑な進行を支援します。
仕事を落札したいから、思いいっきり安く入札って駄目なんですね。
言い換えると、
発注者は、積算とは予定価格と最低制限価格を算出する目的
入札者は、この最低制限金額より低くならいように当てにいく事
なんだよ。
積算はいろんな要素が絡んで、難しい内容だと思うよ。
みかんちゃん、頑張って積算マスターになってね。
発注者は、積算とは予定価格と最低制限価格を算出する目的
入札者は、この最低制限金額より低くならいように当てにいく事
なんだよ。
積算はいろんな要素が絡んで、難しい内容だと思うよ。
みかんちゃん、頑張って積算マスターになってね。
はい🍥頑張ります。とりあえず、わたしはマーマレードを作るところからはじめようと思います🍊
どこの労務費、どこでの日進量ですか。
返信削除コメントありがとうございます。
削除労務費は国土交通省の[令和6年3月から適用する設計業務委託等技術者単価について ]より
日進量は日本下水道管路管理業協会から出版されている[下水道管路管理積算資料-2023-]より引用していますので参考にしてください。