まずは下水管点検で管内の異状(腐食・たるみ・破損・クラック・ズレ・浸入水など)を早期に拾い、
必要に応じて下水管調査で範囲と原因を深掘りしたうえで、ランク判定と緊急度判定につなげるのが基本です。
この記事では、現場で遭遇しやすい下水管の異状の種類を「写真付き」で13項目に整理しました。
点検中に「これは危ない?」「調査に進めるべき?」「清掃で済む?」と迷ったときの判断材料として使えるよう、
放置リスク(閉塞・不明水・道路陥没)とセットで要点をまとめています。
自治体の下水道担当者の方、維持管理会社の技術者の方は、
このページを点検チェックリストとしてブックマークして活用してください。
管 とおる
諏訪 美管
はい!
①まずはささっと管の中を見る点検をする。
②異状があったら直視側視式カメラで調査して悪い箇所にランクをつけていく。
③ランクをもとに腐食・たるみ・管の異状の3つを考慮して緊急度判定を行う、でしたよね。
①まずはささっと管の中を見る点検をする。
②異状があったら直視側視式カメラで調査して悪い箇所にランクをつけていく。
③ランクをもとに腐食・たるみ・管の異状の3つを考慮して緊急度判定を行う、でしたよね。
その通り!!よく勉強しているね。
調査では、管のたるみまで測定できる直視側視式カメラが適しているって話をしたけど、今日は【点検】でどのような異状が見つかるかを教えるね!
調査では、管のたるみまで測定できる直視側視式カメラが適しているって話をしたけど、今日は【点検】でどのような異状が見つかるかを教えるね!
はいっ!!
下水管はどんな異状が発生するの?
下水管の維持管理では、まず点検で「異状の有無」を早くつかみ、必要に応じて調査で原因や範囲を深掘りします。
ここでは、現場でよく見つかる下水管の異状の種類をまとめて紹介します。
そういえば、下水管の異状ってどんなものがあるか、まだ詳しく話してなかったね。
点検でよく見つかる異状には、どんなものがあると思う?
点検でよく見つかる異状には、どんなものがあると思う?
前回教えていただいた【たるみ】とか、【ひび割れ(クラック)】や【破損】ですか?
他にもいろいろありそうですね。
他にもいろいろありそうですね。
下水管の中のことは、日頃から管内を見ている人に聞くのが一番なんだ。
今日は「異状の種類」を分かりやすく教えてくれる頼もしい助っ人を呼んでいるよ。
今日は「異状の種類」を分かりやすく教えてくれる頼もしい助っ人を呼んでいるよ。
もちろんです!!
外部の方にお会いするの、はじめてで緊張します…!
外部の方にお会いするの、はじめてで緊張します…!
ラット君
みかんちゃん、はじめまして!ボクはとおるさんの友達のラットです。
下水道のことを学ぶために、地球に通いながら管内の異状を研究しているんだ!
下水道のことを学ぶために、地球に通いながら管内の異状を研究しているんだ!
ね、ね、ねずみーー!!??
しかもしゃべった~!!Σ(・ω・ノ)ノ!?
しかもしゃべった~!!Σ(・ω・ノ)ノ!?
驚かせてごめんなさい。
とおるさんに下水道のことを相談しているうちに、言葉を覚えてしまってね。
こっそり行動しながら、下水管の点検で見つかる異状を観察しているよ。
とおるさんに下水道のことを相談しているうちに、言葉を覚えてしまってね。
こっそり行動しながら、下水管の点検で見つかる異状を観察しているよ。
宇宙人?いや、宇宙ネズミ(・_・;)?宇チューだけに!?
ちょっと気持ちの整理ができません…!
ちょっと気持ちの整理ができません…!
ってのは置いといて(笑)、ラットくん。
下水管ではどんな異状が起きるのか、現場目線で教えてもらえるかな?
下水管ではどんな異状が起きるのか、現場目線で教えてもらえるかな?
はい(笑)
異状の種類
引用:公益社団法人日本下水道協会「下水道維持管理指針 実務編 -2014 年版-」 抜粋
腐食(硫化水素による下水管の劣化)
下水管の腐食は、下水から発生する硫化水素などの影響で、管の内側から進行します。
進行すると表面が剥離して鉄筋が露出し、構造の強度低下につながるため、点検での早期発見が重要です。
| ランク | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 状態の目安 | 鉄筋露出 | 骨材露出 | 表面が荒れている |
| 腐食Aランク | 腐食Bランク |
| 腐食Cランク |
たるみ(逆勾配を引き起こす下水管の変形)
下水管のたるみは、施工時の転圧不足による圧密不良や、
経年劣化・地盤沈下などが原因で発生します。
たるみが生じると管内が逆勾配となり、水が流れにくくなります。
その結果、下水が滞留しやすくなり、腐食や悪臭、閉塞の原因となるため注意が必要です。
| 管径区分 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 700mm未満 | 内径以上 | 内径の1/2以上 | 内径の1/2未満 |
| 700mm~1650mm | 内径の1/2以上 | 内径の1/4以上 | 内径の1/4未満 |
| 1650mm以上 | 内径の1/4以上 | 内径の1/8以上 | 内径の1/8未満 |
| たるみAランク | たるみBランク |
| たるみCランク |
破損(下水管の欠落・ひび割れによるリスク)
下水管の破損は、老朽化や外圧、内部からの腐食、施工不良、他工事の影響など、複数の要因で発生します。
特に埋設後30年以上経過した管渠で見られやすく、損傷が進むと道路陥没につながるおそれがあります。
点検で早期に発見し、調査・改築の優先度を判断できる状態にしておくことが重要です。
| 管種 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート管 | 欠落 軸方向クラック:幅5mm以上 |
軸方向クラック:幅2mm以上 | 軸方向クラック:幅2mm未満 |
| 陶管 | 欠落 軸方向クラック:管長の1/2以上 |
軸方向クラック:管長の1/2未満 | - |
| HP 破損Aランク(直視) | HP 破損Aランク(側視) |
| HP 破損Bランク(直視) | HP 破損Bランク(側視) |
| HP 破損Cランク(直視) | HP 破損Cランク(側視) |
クラック(下水管のひび割れ:老朽化・外圧による損傷)
下水管のクラック(ひび割れ)は、破損と同様に経年劣化や交通荷重などの外圧で発生します。
放置すると損傷が進行し、浸入水や土砂流入の原因になり、維持管理コストやリスクが増えるため、点検段階での把握が重要です。
| 管種 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート管 | 円周方向クラック:幅5mm以上 | 円周方向クラック:幅2mm以上 | 円周方向クラック:幅2mm未満 |
| 陶管 | 円周方向クラック:長さが円周の2/3以上 | 円周方向クラック:長さが円周の2/3未満 | - |
| HP クラックAランク(直視) | TP クラックAランク(側視) |
| HP クラックBランク(直視) | HP クラックBランク(側視) |
| HP クラックCランク(直視) | HP クラックCランク(側視) |
ズレ(下水管の継手ズレ・脱却:接続不良による段差や隙間)
下水管の「ズレ」は、ソケット(継手)部の接続不良や脱却によって管同士に隙間・段差が生じる異状です。
隙間から浸入水や土砂流入が起きたり、段差が原因で流下機能の低下(堆積・閉塞)につながることがあります。
進行すると路面下の空洞化が進み、道路陥没リスクが高まるため、点検での早期発見が重要です。
| 管種 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート管 | 脱却 | 70mm以上 | 70mm未満 |
| 陶管 | 脱却 | 50mm以上 | 50mm未満 |
| ズレAランク | ズレBランク |
| ズレCランク |
浸入水(下水管への地下水流入:不明水・陥没リスクの原因)
「浸入水」は、管渠の水密性不良(継手・取付管まわりの隙間)や、クラック・破損などの損傷箇所から 地下水が下水管内へ流入している状態です。
浸入水は土砂の流入や周辺地盤の空洞化につながり、進行すると道路陥没などの重大事故の原因になります。
また、処理場へ流れ込む水量が増えることで不明水として維持管理コストにも大きく影響します。
| ランク | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 状況 | 噴き出ている | 流れている | にじんでいる |
| 浸入水Aランク(直視) | 浸入水Aランク(側視) |
| 浸入水Bランク(直視) | 浸入水Bランク(側視) |
| 浸入水Cランク(直視) | 浸入水Cランク(側視) |
突き出し(取付管の突出・モルタル等による流下阻害)
「突き出し」は、取付管の切り残しやモルタルのはみ出しなどが管内に突出し、流下を阻害して閉塞(詰まり)の原因となる異状です。
非開削工法(更生)を行う場合は、ライニング前に削り取り・除去作業が必要になることがあります。
| ランク | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 状況 | 内径の1/2以上 | 内径の1/10以上 | 内径の1/10未満 |
| 突き出しAランク | 突き出しBランク |
| 突き出しCランク |
油脂(飲食店排水による油分付着・閉塞)
「油脂」は、主に飲食店などからの排水に含まれる油分が管内に付着・堆積することで発生する異状です。
油脂は時間の経過とともに固着し、管径を狭めて閉塞や流下能力の低下を引き起こします。
高圧洗浄などの定期的な清掃に加え、排水側でのグリーストラップ管理など根本対策が重要となります。
| ランク | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 状況 | 内径の1/2以上閉塞 | 内径の1/2未満閉塞 | - |
| 油脂Aランク | 油脂Bランク |
樹木根侵入(下水管への根の侵入・閉塞)
「樹木根侵入」は、地上の樹木や植栽の根が、管渠の水密性不良箇所やクラック・継手部などの隙間から 下水管内へ侵入している状態です。
侵入した根は下水中の水分や栄養分で成長し、次第に管内を占拠して流下阻害や閉塞を引き起こします。
放置すると根の成長によって管の損傷が進行し、補修・更生範囲が拡大するため、早期の発見と除去が重要です。
| ランク | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 状況 | 内径の1/2以上閉塞 | 内径の1/2未満閉塞 | - |
| 樹木根侵入Aランク | 樹木根侵入Bランク |
モルタル(施工時排水による管内硬化・流下阻害)
「モルタル」は、施工時や周辺工事に伴う排水によってモルタル分が下水管内へ流入し、管内で硬化・付着した異状です。
硬化したモルタルは管径を狭め、流下阻害や閉塞の原因となります。
非開削工法(更生)を実施する場合は、事前に削孔・除去作業が必要となるケースが多く、点検段階での把握が重要です。
| ランク | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 状況 | 内径の3割以上 | 内径の1割以上 | 内径の1割未満 |
| モルタルAランク | モルタルBランク |
| モルタルCランク |
接合不良(本管と取付管の接続不良)
接合不良は、本管と取付管の接続部における施工不良や経年劣化によって発生します。
接続部に隙間や段差が生じることで、浸入水や土砂の流入箇所となり、
管内堆積・閉塞・路面陥没などのリスクを高めるため、点検時の確実な確認が重要です。
パッキンハズレ(ソケット部の水密性不良)
パッキンハズレは、下水管ソケット部に設置されている水密性確保用パッキンが、
施工不良や管のズレ、経年変化などにより管内側にはみ出している状態です。
はみ出したパッキンは流下を阻害するだけでなく、浸入水・土砂流入・堆積物付着の
起点となるため、管内調査時に確実な確認が必要です。
土砂(管内への土砂流入・堆積)
土砂は、下水管の破損・接合不良・浸入水などを起点として、
周辺地盤の細粒分が管内へ流入・堆積することで発生します。
土砂が堆積すると流下断面が縮小し、流下阻害や閉塞、
さらには汚水滞留・腐食進行・道路陥没の原因となるため、
点検時には堆積量と発生要因の両面から評価することが重要です。
わぁ〜!下水管の中って、こんなにいろんな異状が起こるんだね。
うん。特に損傷が進んだ場所は、放置すると危険なんだ。
だから下水管の点検と下水管の調査は、本当に大事なんだよ。
だから下水管の点検と下水管の調査は、本当に大事なんだよ。
すごく納得したよ〜!ありがとうラットくん♡
異状の話が長くなっちゃったから、今日はここまで。
次回は下水管点検の機器について、もう少し詳しく説明するね。
次回は下水管点検の機器について、もう少し詳しく説明するね。
おいらも一緒に説明するよ!
はい、よろしくお願いしまチュー🐭
たははは(^_^;)
諏訪 美管
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うわ~凄いです!
返信削除ネズミ~ランドですねΣ(゚Д゚)
すごいですよね~!わたしもあの映像にはびっくりしました(笑)ちなみに、KANMAGAに登場するラットくんはこの世界であの「スーパースター」に会うことが夢だそうですよ♬
削除わかりやすいです。オペレーターの勉強会をひらいてほしいです。
返信削除ありがとうございます。オペレーターのオンライン勉強会も検討していますので乞うご期待ください!
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