KANMAGAの記事をGoogleで検索できます。



カンツールが行うセミナー 録画セミナーを聞いて下水道知識を学びましょう
録画セミナーへ

下水道の効率的な点検と調査:管内検査の使い分け (第6話)

2021年4月14日水曜日

調査 直視側視式カメラ 点検

管 徹

みかんちゃん、下水管の中を確認する一般的な方法について理解できたかな?
→前回の話【下水管の点検と調査について】←

諏訪 美管

はい。まずは簡単にぱぱっと管の中を【点検】して、悪い箇所があったらロビオンのような直視側視式カメラで【調査】する。でしたよね!
そうだよ。よく勉強しているね。
ただ、前回見た動画の中で下水管の中を見る機械がたくさん出てきたのですが、いろいろあってどれが一番いいのか分かりません。 使い分けたりしているんですか??
良いところに気がついたね。スゴイよ。今回は点検と調査の機械の使い分けについて説明するね!
はい。よろしくお願いします。








下水管の修繕と改築



下水道では定義が決まっていて、下水管の耐用年数は50年なんだ。 ここで見て欲しいのは、修繕・改築の判断。
修繕?改築?
簡単に言うと
修繕は管の年齢を50歳まで耐えられるように直すこと。
改築は管の年齢を0歳に戻して再構築することなんだ!

(11)修繕
老朽化した施設または故障もしくは損傷した施設を対象として、当該施設の所定の耐用 年数内において機能を維持させるために行われるもの。
(12)改築
更新または長寿命化対策により、所定の耐用年数を新たに確保するもの。 ①更新:既存の施設を新たに取替えること。 ②長寿命化対策:既存の施設の一部を活かしながら部分的に新しくすること。

国土交通省:維持管理情報等を起点としたマネジメントサイクル確立に向けたガイドライン(管路施設編)-2020 年版- 抜粋


なんだか修繕・改築って治療や手術みたい!
維持管理って下水道のお医者さんみたいですね~!
修繕方法、改築方法のやり方はいろいろあるんだけど、今はこの違いだけを覚えていてね。
重要なことは、点検から修繕・改築の判断には行かず必ず調査を通るって事!
それは、点検では簡易的にしか見ないから修繕・改築の判断ができないって事ですか?
そうそう。よく気がついたね。修繕・改築の判断をする場合は緊急度判定と言って、以下の項目で判断をすることがとても重要なんだ!


①管渠の腐食がどの程度あるか?
②管渠のたるみ(勾配不良)がどの程度か?
③管渠にどれだけ異常が分布していて、どの程度損傷しているか?

この3つの項目に軽度~重度のランクをつけてスパンで緊急度判定を行うんだ。




 調査 -異状箇所のランク付け-

それじゃあどうやってランク付けをしているかを説明するね! 異状の判定基準はこの資料のP41~P44を見ると分かるよ!


引用元:国土交通省



簡単に説明すると、現在下のような仕組みになっているんだ。

異状箇所のランク付け
①下水管の異常を種類ごとに、定量的に損傷度を判定する(ランクを定める)。

ヒューム管・陶管


塩ビ管


②腐食、たるみについて判定する。

③管1本あたりの損傷からスパンの全体判定をする。

④そのランクをもとに緊急度を判定して修繕・改築の判断をする。

引用:公益社団法人日本下水道協会「下水道維持管理指針 実務編 -2014 年版-」  抜粋


詳しくは日本下水道協会から出版されているこの本を見るとよく分かるからおすすめだよ!(10.2.3 調査結果の判定及び評価 参照)

公益社団法人日本下水道協会「下水道維持管理指針 実務編 -2014 年版-」

最初は難しく感じたけど、点検→調査→スパンランク付けって順を追って進んで行けば、どこの管を直さなくちゃいけないかが効果的に分かるんですね。



 調査 -ランク付けに適した機器-



さてさて、緊急度判定のためのランク付けにはいろいろな基準があったけどここで重要なのは
【腐食、たるみ、管の損傷の度合いを定量的に判定する必要がある】って事。

そのためには、距離や異状箇所のスケール測定ができない【直視式カメラ】ではなく、ロビオンみたいな【直視側視式カメラ】ベストなんだ。 ロビオンはスケールを使って異常の幅を1mm単位で測れるから、損傷のランクをつけられるんだよ。 たるみについてもそう。
なるほどぉ~!やはりロビオンは優秀ですね!!
・・・たるみ??下水管て硬そうですけどたるむんですか!?
施工時転圧不足による圧密不良や経年や地盤沈下によって下水管にたるみができてしまうことがあるんだ。 たるみができると逆勾配になって水が流れずにたるみ部分に下水が溜まって、腐食や悪臭の原因になるんだ。
さて、ここで問題!下の写真のどちらかはたるみのあった現場なんだけど、1枚目と2枚目どちらだと思う?
え?いまのお話だと、たるみに下水が貯まるから1枚目は正常で、下水が溜まっている2枚目がたるみですよ。簡単です!
とおるさんヒント出しすぎですよ~
ブブー。みかんちゃん残念!!
えー どういうことですか?
1枚目は下水を止めて調査したから下水が無いだけで、実際には逆勾配でたるんでいたんだ。
2枚目は下流の方で土砂が溜まっていて、下水が堰き止めてられていただけ。 見た目じゃ分からないでしょ!

1枚目:下水の流下は無いが逆勾配でたるみ有

2枚目:土砂溜まりで下水が滞留していてたるみ無


確かに、目で見ただけじゃ1枚目の写真がたるみの管って分からないです!
なんで分かったかと言うと、ロビオンの傾斜測定で確認したからなんだ。 下の図の赤い線が管を横からみたところなんだけど、通常は左から右に一定勾配のはずが、いくつか赤い線が山になっているところがあるでしょ?ここが逆勾配でたるみになっていてロビオンの測定だと一目瞭然なんだ!
へぇ~ロビオンてすっごーい!
見た目では分からない異常も正確に調査してくれるんですね。
それにしてもさっきのクイズの出し方はズルいですよ~。
ごめんごめん(笑)
これがすごく重要なこと!!
修繕・改築のための緊急度判定を出すには、調査の中で異常のランクを正確に判定する必要がある。 それをするには、やっぱり直視側視式カメラが必要なんだ。

ロビオン

ロビオンは、世界の技術を駆使した高機能な管内検査カメラです。
走行性・操作性・安全性に優れ、現場のトラブルを解決し、日進量の向上をもたらします。




点検に適した機器は?



直視側視式カメラっていろいろできて調査にぴったりですね!
それじゃあ点検するにはなにがいいんですか??
前回見たこの動画の8分30秒くらいからたくさんの調査機器が出てくるよね。


この動画だと、点検が管口カメラ、調査の機器は状況に応じていろいろあるんですね~。
画像クリックで拡大
【参考資料】維持管理情報等を起点としたマネジメントサイクル確立に向けたガイドライン(管路施設編)-2020年版- 62P
この図のように効率よく点検と調査をするために、適した機械の選び方があるんだ!
というわけで次回からは点検についての説明をするね。
はい、よろしくおねがいします(^^)



↓この記事で登場した製品↓
ロビオン
この記事をシェアする