下水道業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)とテクノロジーを使った最前線 (第21話)

2022年2月16日水曜日

下水道の課題 下水道の基礎知識



管 とおる

 

みかんちゃん、前回は難しい話だったけど、広域化・共同化についてわかったかな?

→【第20話】効率化の調節役、スケールメリットで超節約!←

諏訪 美管

はい♫ 作業を1か所にまとめて効率化をはかるスケールメリットを生かすために、処理場を統合したり事務作業をまとめたりすることで効率を良くすることですよね。エッヘン!
そのとおり(^^)
ちなみに、効率化はスケールメリットだけじゃなくて今はDXの手法も求められているんだ。
これ、実はコロナ対策に有効な手段!  
コロナ対策にDX?????
今回は僕の主観も入ると思うけど、下水道業界におけるDXについて説明するね。  







DXとは


みかんちゃん、またまた念のため聞くけど、DXって知ってる?

あ~~もう、お察しの通り知りません(笑)
毎回このくだりですね(;^_^)

DX(デジタルトランスフォーメーション)っていうのは、AI(人工知能)やICT(情報通信技術)の普及が、社会や生活をより良いものに変えるという考え方だよ!


DX(デジタルトランスフォーメーション)

  • データやデジタル技術によって、、、

  • ・従来なかった製品・サービス、ビジネスモデルを生み出す。

  • ・プロセスを再構築し、既存ビジネスに生産性の向上・コスト削減・時間短縮をもたらす。

  • ・業務そのものを見直し、働き方に変革をもたらす。
といったように、ビジネスを根底から大きく変革することを言います。

難しい・・・・
お約束ですが、小学生にも分かるようにお願いいたします。

じゃあ、身の回りでDX化していることを参考に見てみよう!


身近なDXの例


AI家電

「ルンバ」などのロボット掃除機はセットした時間に自動で掃除をしてくれるため、掃除の時間を大幅に削減できる。また、「Google Home(グーグルホーム)」や「Alexa(アレクサ)」などのスマートスピーカーは音声操作をするだけで必要な情報を読み上げてくれたり外出先からの遠隔操作や他の機器との連動もできて生活をよりスムーズにしてくれる。

サブスクコンテンツ

「Netflix」や「Amazon Prime」で映画を見たり、「Kindle」で漫画や書籍を読んだり、オンラインゲームやオンラインスクールなど、毎月の定額料金を支払うだけで、家にいながら学びやエンターテインメントを楽しんだりでき、通学やレンタル等の移動時間が省略できるため時間が有効に使える。

勤怠管理のシステム化

社員の勤怠管理はタイムカードを使って行うことが従来は一般的だったが、クラウド型勤怠管理システムを導入し、就業時間をすべて自動計算、管理することで、正確な勤怠管理はもちろん、業務の負担軽減にも効果を発揮する。

顧客・在庫管理のシステム化

顧客管理をシステム化することで、顧客から問合せがあった際、過去の履歴を参照できたり、営業担当者が変わってもそれまでのやりとりをスムーズに引き継ぐことができる。
在庫管理に関しても、Web上の在庫と実際の在庫を別々に管理していると、手間がかかるうえ数字が合わないというようなミスも生じやすくなりEC化を進めても効率化は実現できないが、現実の在庫とWeb上の在庫を統合管理できるシステムを導入することでリアルタイムで実際の在庫数が把握できリスクが軽減する。

紙媒体の電子化

社内外で使用する契約書や請求書など、紙媒体の電子化は、郵送の手間が省けることや、データをクラウド上で共有、保存することで紙を保管する必要がなくなるためスペースの削減にもなる。


なるほど~!なんかDXってすごく便利でドラえもんの道具みたいですね!
  ・・・ボソッ(まさかDXのDってドラえもんのD!?)

こうしてデジタル技術を組み込むことによって、生活はより便利で豊かに、会社の業務はかなり効率がよくなるんだ! これがDX!
アプリで注文して所定の場所に届けてくれるウーバーイーツなんかもDXのひとつだね!

ウーバーイーツもDXのひとつなんですか~
でも下水道業界のDXってなんですか?どうしてコロナ対策に??
徐々に説明するね。
みかんちゃん、何度も聞いてるけど、下水道の3つの課題は?
ヒト・モノ・カネ ですよね。

そう!ただでさえその3つには課題が多いのに、コロナ禍でさらに課題は大きくなったんだ。



コロナ禍で大きくなる下水道の課題


  • ヒト:
    技術職員の不足と感染リスクの高い高齢職員が増えて三密を避けつつも事業のサービスを低下させてはいけない。

  • モノ:
    計画的な管路の維持管理や更新が必要であるがコロナ流行下で実施困難な部分も発生しており対策が必要。

  • カネ:
    コロナ禍での活動自粛等の影響で水使用量が減少しており料金収益が更に減少している。


問題に問題が重なってますね!

そこで!!下水道維持管理にDXを用いることが有効的な手段になるんだ!

おぉ~~~!!待ってました!下水道業界のDX~!!





下水道維持管理におけるDXの活用


まずは、ICT活用による作業の効率化
ICTっていうのは人とインターネットをつなぐことによって人と人とのコミュニケーションをとること。

システムを導入し、無駄な作業を減らして人員を削減することで接触削減にもなるからコロナ対策に有効な手段になるんだ。

①AI技術を導入し、自動運転・オペレーションの補助、運転状況などを表示させるインフォメーション技術を利用することで作業員の縮減と効率的な運転管理を行う。
②テレワークや、クラウド技術を用いてデータ管理をすることで作業の効率化と、人から人への接触を減らす。
AI技術の導入 自動運転 クラウドデータ管理 スゴイ!!


次は、施設の運転の効率化に向けた技術

③下水処理場などの遠隔監視・遠方操作などを行い効率化を図る。
また、リアルタイムで監視・操作することが可能な流量計や電動弁等を設置しコロナ禍における制約がある条件下でも施設状況の把握や早期対応を可能にする。
遠隔操作がでてきましたね。下水道のTVカメラ調査の遠隔操作もできるなら、確かに処理場なども可能ですね!!


最後に、調査・計測における効率化に向けた技術の活用

④センサーやロボットなどを活用し、計測困難箇所の調査や、広域に存在する施設の計測結果を一括で管理し効率化を図る。 かつクラウド技術を用いて調査データ管理をすることや、AIによる自動判定を調査に活用し調査業務の効率化を図る。
DXを使うと、いろんなことが便利になったり、出来なかったことができるようになるんですね。


ただ、これも、広域化の時みたいになかなか浸透しないのが現状なんだ。
ええ~~!?こんなに便利なのに(・_・;)??




DXの課題


DXの課題はやっぱりお金の問題で、投資に関するリスクがあるんだ。 


【初期投資】
システムの導入には一定規模の投資が必要で投資リスクが生じることから経営への影響にも留意が必要です。
そのため、導入当初は必要最小限で導入し必要に応じて機能を拡張することができるような方法を検討することが大切です。
たくさん出費して導入したのに失敗になったら大変ですもんね。


それから情報のブラックボックス化のリスクってのもあるんだ。

情報のブラックボックス??

つまり、システムの使い方は分かるけど、プログラムの中身の構造は分からないって状況のこと!

【ブラックボックス化のリスク】
システムの開発者が内部構造を把握できなくなるブラックボックス化。
システムの変更やトラブルが発生すれば、システムを使った業務はストップし、回復に多くの時間や人件費がかかってしまいます。 また、せっかくの最新のハードウェアにも関わらず、構造を把握している一部の能力のみ使用し、他の性能が有効利用されず、機能の拡張ができないということもブラックボックス化により起こります。

対策として、開発者は人間にとっての「見える化」を図る。そして管理する人間も ICT に頼りきりにならないよう、人的な運転を行うことができるようにします。特に故障時における緊急時対策のマニュアル等も整備しておくことが大切。

作った人が中身の構造をわからないと故障したとき困っちゃいますね。
デジタル技術を効率よく活用しつつ、もしもの時を考えて手動でもできるように対策しておくことが大切なんですね。


これからの企業競争力にDX化は絶対欠かせないし、いつのまにか乗り遅れる前にまだ動いていない企業より先に発進することが大事!


先手必勝ってやつですね!!


最後に、ICTを活用する場合は、外部からの侵入やデータ消失のリスクに注意しないといけないよ。


【セキュリティ対策】 ICTシステムへの外部侵入や保存データの消失などのリスクがある。アクセス時のセキュリティの対策やバックアップなどの安全性・信頼性の確保に向けた対策を検討する。
ウイルス、乗っ取り、データ消去 怖いです。
そうならないためにもバックアップやセキュリティはしっかりね!
基幹システムはとても便利だけど、導入や新しい製品の開発はこういう課題もあるから大変なんだ。

なるほど~
でもリスクを考えてもDX化した方が効率が良さそうです!

その通り!ちなみにカンツールも、DXを促進しているんだよ。
それは、カンツールショップ に インセップ


カンツールショップ

ECサイトをただの販売の場とするのではなく、顧客問合せや商談など、ECサイトを軸に顧客とのコミュニケーションを取り、顧客目線でECサイトの中身を充実させていく。
専門性の高い下水道業界は情報が入りにくく商品選び一つをとっても障壁を感じられるお客様はたくさんいるため、カンツールショップでは顧客専任の担当者がサポートしながらお客様の課題を解決できるサイトを構築し、 ECサイトの役割を含めたコンシェルジュ(総合世話係)を目指してる。


カンツールショップがお客様の悩みを解決する。確かにDXの活用ですね!


インセップ

スクリーニング用報告書作成ソフト 映像から自動で距離を算出して、AIが異状箇所自動判定して、詳細調査箇所を行わなけれが行けない箇所をピックアップ AI判定はまだ実証実験のレベルだけどね。
AI、自動判定、詳細調査箇所のピックアップ、さっきの説明の通りのDXですね。
下の動画はもともと距離情報の表示がない動画だったんだけど、インセップが管の動きから距離を算出して距離情報の文字を合成してるんだ。
止まれば距離も止まるし、下がればちゃんと後退する。
これを映像から解析してるから凄い。右下の距離に注目!
インセップってすごいですね~!
お客様にお役に立てるECサイト、下水道維持管理に役立つAI技術。私たちの業界もどんどんDX化するといいですね!

同じことを繰り返していても新しいものは生まれない。
新しい価値を創り出すためには、慣行にとらわれず、新しい考え方や方法を積極的に取り入れて殻を打ち破っていくことがとても大切なんだよ。

環境の変化って実はわたしもあまり得意じゃないしドキドキするけど、がんばってついていきます!

さて、ここ最近難しいテーマだったから、次回は勉強中止!
おもしろいゲームを入手したから一緒に遊んでみよう!

え~!ゲームで遊んでいいんですか~!? 楽しみにしてます!!
この記事をシェアする