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下水道管路技術認定試験対策(管路施設)工場排水編を簡単説明(47話)

2024年10月29日火曜日

下水道管路技術認定試験


管 とおる

みかんちゃん、前回は、下水道管路技術認定試験の下水処理編について勉強したね。
→下水道管路技術認定試験(管路施設)試験対策【工場排水(下水処理)編】を簡単説明(42話)←

諏訪 美管

正直難しいともいましたが、噛み砕いて説明してくれたので本質がわかりました。

それじゃ、続きで【工場排水(事業排水)】について。
化学のことが基本だから、小難しい単語がたくさん出てくるけど、水の循環を守るためには重要な事だから覚えてね。

はい、わかりました。






下水道管路技術認定試験項目について:工場排水(事業排水)



排水中に含まれるベンゼンの特徴

ベンゼンは、石油や化学工場で使われる化学物質です。
ガソリンやプラスチック、薬品などを作るときに使われます。
排水に含まれると環境や健康に悪影響を与えることがあります。


親水性

ベンゼンは水に溶けにくいです。
水と混ざらない油のような性質を持っています。
だから、ベンゼンが水に入ると、水の表面に浮いたりします。


比重

ベンゼンの比重は0.879です。
これは、水の比重(1.0)よりも軽いので、ベンゼンは水に浮きやすいです。


揮発性

ベンゼンは揮発性が高く、つまり空気中に飛び出しやすいです。
ベンゼンが含まれる排水があると、そのベンゼンは空気中に広がりやすく、特有の甘い匂いがします。


ベンゼンは無色の液体です。
見た目だけではベンゼンが含まれているかどうかはわかりません。


毒性

ベンゼンは人や動物にとって有害です。
長い間触れたり吸い込んだりすると、病気になったり、体に悪い影響を与えることがあります。
特に、発がん性があり、がんの原因になることがあります。

まとめると、ベンゼンは水に溶けにくく、軽くて浮きやすく、空気中に広がりやすい無色の液体です。
健康や環境に悪い影響を与えるため、ベンゼンを含む排水は特別な方法で安全に処理することが大切です。



排水中に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)の特徴

ポリ塩化ビフェニル(PCB )は、昔、電気の機械や化学工場で使われていた化学物質です。
でも、ポリ塩化ビフェニル(PCB)は健康や環境に悪い影響を与えることがわかり、今では使うことが禁止されています。


親水性

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は水に溶けにくいです。
水と混ざらない油のような性質を持っています。
だから、PCBが水に入ると、水の表面に浮いたり、底に沈んだりします。


比重

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は水よりも少し重いので、水の底に沈みやすいです。
でも、他の物質と混ざることもあるので、場所によっては浮くこともあります。


揮発性

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は揮発性が低く、つまり空気中に飛び出しにくいです。
これが原因で、PCBは長い間環境中に残ることがあります。


ポリ塩化ビフェニル(PCB)は無色から淡い黄色の液体です。
見た目だけではPCBが含まれているかどうかはわかりにくいです。


毒性

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は人や動物にとってとても有害です。
長い間触れると、病気になったり、体に悪い影響を与えることがあります。
そのため、ポリ塩化ビフェニル(PCB)が含まれる排水は特別に処理する必要があります。

まとめると、ポリ塩化ビフェニル(PCB)は水に溶けにくく、少し重くて沈みやすく、空気中に飛び出しにくい無色から淡い黄色の液体です。
健康や環境に悪い影響を与えるため、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む排水は特別な方法で安全に処理することが大切です。



排水中に含まれるクロムの特徴

クロム は、金属製品のメッキやステンレス鋼の製造、染料、皮革のなめしなどに使われる金属です。
排水中に含まれると、環境や健康に悪影響を与えることがあります。


親水性

クロムは、水に溶ける性質があります。
特に六価クロム、は水に非常によく溶けます。
これが環境や健康にとって問題になることがあります。


比重

クロムの比重は7.19です。
これは、水の比重(1.0)よりもはるかに重いので、クロム自体は水の底に沈みやすいです。
ただし、クロム化合物は水中に溶け込むことが多いです。


揮発性

クロム自体は揮発性が低く、空気中に飛び出しにくいです。
しかし、クロム化合物は環境中で移動しやすいことがあります。


クロムの色は化合物の種類によって異なります。
例えば、六価クロムは黄色や赤色、三価クロム、は緑色や紫色をしています。
このため、排水中に含まれるクロムは、見た目に影響を与えることがあります。


毒性

クロムは、人や動物にとって有害です。
特に六価クロムは強い毒性があり、発がん性があります。
長期間にわたって触れたり飲み込んだりすると、健康に深刻な影響を与えることがあります。
三価クロムも毒性はありますが、六価クロムほど強くはありません。

まとめると、クロムは水に溶けやすく、重くて沈みやすい金属で、揮発性は低いですが、環境中で移動しやすい化合物もあります。
色は化合物によって異なり、六価クロムは特に毒性が強く、発がん性があるため、排水中のクロムは特別な方法で安全に処理することが重要です。



三価クロムと六価クロムについて

三価クロムは、クロムという金属の一つの形です。
以下が三価クロムの特徴です:

  • 毒性:
    三価クロムは、体にあまり悪くないです。
    少しなら、体にとって必要なものです。

  • 環境への影響:
    三価クロムは水にあまり溶けません。
    土や水の中では安定していて、広がりにくいです。

  • 色:
    三価クロムは緑色や紫色をしています。

  • 酸化力:
    三価クロムの酸化力は低く、他の物質をあまり変化させません。

  • 腐食:
    三価クロムは腐食しにくいです。
    金属をあまり傷めません。

六価クロムとは?

六価クロム は、クロムのもう一つの形です。
以下が六価クロムの特徴です:

  • 毒性:
    六価クロムはとても体に悪いです。
    長い間触れると、病気になったりすることがあります。

  • 環境への影響:
    六価クロムは水にとてもよく溶けます。
    土や水の中で広がりやすく、環境を汚します。

  • 色:
    六価クロムは黄色や赤色をしています。

  • 酸化力:
    六価クロムの酸化力は強く、他の物質を変化させる力があります。
    例えば、物を燃やしたり、化学反応を速くしたりします。

  • 腐食:
    六価クロムは腐食しやすく、金属を傷めることがあります。

三価クロムと六価クロムの比較

三価クロムと六価クロムは、同じクロムですが、全然違います。

  • 毒性: 三価クロムは体にあまり悪くないですが、六価クロムはとても体に悪いです。
  • 環境への影響: 三価クロムは水に溶けにくく、広がりにくいですが、六価クロムは水に溶けやすく、広がりやすいです。
  • 色: 三価クロムは緑色や紫色で、六価クロムは黄色や赤色をしています。
  • 酸化力: 三価クロムは酸化力が低く、六価クロムは酸化力が強いです。

六価クロムはとても体に悪く、環境を汚すので、三価クロムに変えて毒性を減らすことが大切です。



排水中に含まれるヒ素

ヒ素は、自然界にある元素の一つで、工場や農業で使われることがあります。
ヒ素が排水に含まれると、環境や健康に悪い影響を与えることがあります。


親水性

ヒ素は水に溶けやすいです。
特に、ヒ素の化合物である亜ヒ酸(あひさん)やヒ酸(ひさん)は、水にとてもよく溶けます。
このため、ヒ素が排水に含まれると、水と一緒に広がりやすいです。


比重

ヒ素の比重は、5.7です。
これは、水の比重(1.0)よりもずっと重いので、ヒ素自体は水の底に沈みやすいです。
でも、ヒ素の化合物は水に溶けることが多いです。


揮発性

ヒ素は揮発性が低く、つまり空気中に飛び出しにくいです。
これは、ヒ素が水や土の中にとどまりやすいことを意味します。


ヒ素自体は銀白色の金属ですが、ヒ素の化合物は色がありません。
つまり、見た目だけではヒ素が含まれているかどうかわかりにくいです。


毒性

ヒ素は人や動物にとってとても有害です。
長い間触れたり飲んだりすると、病気になったり、体に悪い影響を与えることがあります。
ヒ素は発がん性があり、がんの原因になることがあります。

まとめると、ヒ素は水に溶けやすく、重くて沈みやすいですが、水に溶けることが多い金属です。
揮発性は低く、見た目ではわかりにくいですが、健康や環境に悪い影響を与えるため、ヒ素を含む排水は特別な方法で安全に処理することが大切です。



排水中に含まれる水銀の特徴

水銀は、銀色の液体金属で、工場や電池、蛍光灯などに使われることがあります。
水銀が排水に含まれると、環境や健康に悪影響を与えることがあります。


親水性

水銀は水にあまり溶けません。
水と混ざらない油のような性質を持っています。
しかし、水銀の化合物(メチル水銀など)は水に溶けやすく、これが問題になることがあります。


比重

水銀の比重は13.6です。
これは、水の比重(1.0)よりもはるかに重いので、水銀は水の底に沈みやすいです。


揮発性

水銀は揮発性があり、常温でもゆっくりと気化して空気中に広がることがあります。
これにより、水銀が空気中に広がると、吸い込んだ人や動物に悪影響を与えることがあります。


水銀は銀色の液体で、とても見た目が特徴的です。
液体の金属で、温度が低いところでも液体のままです。


毒性

水銀は人や動物にとって非常に有害です。
水銀を吸い込んだり飲んだりすると、神経系にダメージを与え、体に悪い影響を与えます。
水銀の化合物であるメチル水銀は、特に毒性が強く、魚を通じて人の体内に入ることがあります。

まとめると、水銀は水に溶けにくく、とても重くて沈みやすい銀色の液体金属です。
揮発性があり、空気中に広がりやすいですが、健康や環境に悪い影響を与えるため、水銀を含む排水は特別な方法で安全に処理することが大切です。



排水中に含まれる鉛の特徴

鉛(なまり)は、古くから使われている金属で、バッテリーやパイプ、塗料などに使われることがあります。
鉛が排水に含まれると、環境や健康に悪影響を与えることがあります。


親水性

鉛は水に溶けにくいです。
水と混ざらない金属の性質を持っています。
しかし、鉛の化合物(例えば鉛酸塩など)は水に溶けることがあります。


比重

鉛の比重は11.34です。
これは、水の比重(1.0)よりもはるかに重いので、鉛は水の底に沈みやすいです。


揮発性

鉛は揮発性が低く、常温ではほとんど気化しません。
つまり、鉛は空気中に飛び出しにくいです。


鉛は灰色の金属で、重くて柔らかい特徴があります。
鉛は加工しやすいため、昔からいろいろな用途で使われてきました。


毒性

鉛は人や動物にとって非常に有害です。
長い間触れたり飲み込んだりすると、血液や神経、脳にダメージを与え、特に子どもにとっては発育障害などの深刻な影響を引き起こすことがあります。

まとめると、鉛は水に溶けにくく、とても重くて沈みやすい灰色の金属です。
揮発性は低く、空気中に飛び出しにくいですが、健康や環境に悪い影響を与えるため、鉛を含む排水は特別な方法で安全に処理することが大切です。



排水中に含まれるトリクロロエチレンの特徴

トリクロロエチレンは、工場などで使われる化学物質です。
主に金属の洗浄や脱脂に使われます。
排水に含まれると、環境や健康に悪影響を与えることがあります。


親水性

トリクロロエチレンは水に少し溶ける性質があります。
完全には混ざりませんが、一部は水に溶けます。


比重

トリクロロエチレンの比重は1.46です。
これは、水の比重(1.0)よりも重いので、水中では底に沈む傾向があります。


揮発性

トリクロロエチレンは揮発性が高く、常温でも簡単に気体になります。
空気中に飛び出しやすいため、特に注意が必要です。


トリクロロエチレンは無色の液体です。
見た目では存在を確認することが難しいです。


毒性

トリクロロエチレンは人や動物にとって有害です。
長期間吸い込んだり触れたりすると、神経系にダメージを与えたり、肝臓や腎臓に悪影響を与えることがあります。
発がん性もあるため、特に注意が必要です。

まとめると、トリクロロエチレンは水に少し溶け、水より重くて沈みやすい無色の液体です。
揮発性が高く、空気中に飛び出しやすいため、健康や環境に悪い影響を与えることがあるので、排水中のトリクロロエチレンは特別な方法で安全に処理することが大切です。



排水中に含まれるシアン化合物の特徴

シアン化合物は、工場で使われる化学物質で、非常に有毒です。
排水に含まれると、環境や健康に大きな悪影響を与えることがあります。


親水性

シアン化合物は水に溶けやすいです。
例えば、シアン化ナトリウム(NaCN)やシアン化カリウム(KCN)は、水に溶けて強い毒性を持つシアンイオン(CN⁻)を放出します。


比重

シアン化合物の比重は化合物によって異なりますが、一般に水に溶けるので、水中で広がりやすいです。
例えば、シアン化ナトリウムの比重は約1.6です。


揮発性

シアン化水素(HCN)は揮発性が高く、空気中に容易に飛び出します。
シアン化水素は無色の気体で、非常に毒性が強く、呼吸すると危険です。


シアン化合物は無色のものが多いです。
見た目では存在を確認することが難しいです。


毒性

シアン化合物は非常に有毒です。
シアンイオン(CN⁻)は、細胞の中で酸素を使ってエネルギーを作る働きを妨げるため、呼吸困難や死に至ることがあります。
少量でも、急性中毒を引き起こす可能性があります。

まとめると、シアン化合物は水に溶けやすく、比重が重くて水中で広がりやすい無色の化学物質です。
揮発性が高く、空気中にも広がりやすいため、非常に毒性が強く、健康や環境に大きな悪影響を与えることがあります。
シアン化合物を含む排水は、特別な方法で安全に処理することが重要です。

ノルマルヘキサン抽出物質を含む排水について

ノルマルヘキサン抽出物質は、油やグリースなどの油脂成分を指します。
これらは、ノルマルヘキサンという溶剤を使って抽出される物質です。


ノルマルヘキサン抽出物質の例

  • 油 - 料理に使う食用油や機械の潤滑油などです。
  • グリース - 機械の潤滑に使われる半固体の油脂です。
  • 石油製品 - ガソリンや軽油などの石油由来の製品です。

ノルマルヘキサン抽出物質を含む排水の問題点

これらの物質を含む排水は、いくつかの問題を引き起こすことがあります:

  • 水質汚染 - 油やグリースが水に混ざると、水質が悪化し、生態系に悪影響を与えます。
  • 下水道の詰まり - 油やグリースが冷えると固まり、下水管を詰まらせることがあります。
    これにより、排水が逆流したり、下水処理施設に負担がかかります。
  • 悪臭 - 油やグリースは腐敗すると悪臭を放ち、不快な環境を作ります。

ノルマルヘキサン抽出物質の処理方法

ノルマルヘキサン抽出物質を含む排水は、適切な方法で処理する必要があります。
以下は一般的な処理方法です:


1. 油水分離(ゆすいぶんり)

油水分離装置を使って、水と油を分ける方法です。
これにより、油が水から取り除かれます。


2. フロック形成と沈殿

フロック剤という薬品を加えて、油を小さな塊にして沈殿させる方法です。
これにより、油が水の底に沈み、取り除かれます。


3. 吸着処理

活性炭などの吸着剤を使って、油を吸い取る方法です。
これにより、水から油が取り除かれます。


まとめ

ノルマルヘキサン抽出物質を含む排水は、油やグリースなどの油脂成分が含まれており、水質汚染や下水道の詰まりなどの問題を引き起こすことがあります。
これらの排水を適切に処理するためには、油水分離、フロック形成と沈殿、吸着処理などの方法を使います。
適切な処理を行うことで、環境や下水道の保護ができます。



油類が下水に流れるとどうなりますか?

油類が下水に流れると、いくつかの問題が発生します。
以下にその影響を説明します。


下水管の詰まり

油は水に溶けにくく、冷えると固まることがあります。
これが下水管の中で固まると、管が詰まってしまいます。
詰まりがひどくなると、水が流れなくなり、下水が逆流することもあります。


汚水処理場への負担

油は下水処理場でも問題を引き起こします。
油を分解するのは難しく、通常の処理方法では完全に取り除けないことがあります。
これにより、処理場の機能が低下し、きれいな水を作るのが難しくなります。


環境汚染

処理しきれなかった油が川や海に流れ出ると、水質汚染が発生します。
油は水面に広がり、酸素の供給を妨げるため、水中の生物にとって非常に有害です。
魚や植物が影響を受け、生態系が破壊されることがあります。


悪臭や見た目の問題

油が下水や処理場にたまると、悪臭の原因になります。
また、油が浮いている水は見た目も悪く、衛生的ではありません。


火災のリスク

大量の油が下水に流れ込むと、火災のリスクが高まります。
特に、油が集まっている場所で火がつくと、大きな火災を引き起こすことがあります。

まとめると、油類が下水に流れると、下水管の詰まり、汚水処理場への負担、環境汚染、悪臭、見た目の問題、火災のリスクなど、多くの問題が発生します。
そのため、油はキッチンペーパーなどで拭き取ってから捨てるようにしましょう。





試験項目について:工場排水(除害施設と処理方法)



除害施設と処理方法について


除害施設とは?

除害施設(じょがいしせつ)は、工場などから出る汚れた水(排水)をきれいにするための場所です。
ここでは、汚れた水の中にある有害なものを取り除きます。
これにより、環境や人の健康を守ることができます。
除害施設では、いくつかの方法を使って有害なものを取り除きます。
以下に主な方法を説明します:

化学処理

化学処理は、薬を使って有害なものを安全なものに変える方法です。
たとえば、シアンという有害なものを塩素という薬で分解します。


生物処理

生物処理は、小さな生き物(微生物)が汚れを食べて、汚れをきれいにする方法です。
たとえば、油や食べ物のカスなどを微生物が分解します。


物理処理

物理処理は、物理的な方法で汚れを取り除く方法です。
たとえば、フィルターでゴミを取り除いたり、汚れを沈めて下に溜めたりします。


吸着処理

吸着処理は、特別な材料(吸着剤)を使って汚れを吸い取る方法です。
たとえば、活性炭(かっせいたん)という材料が汚れを吸い取ります。


酸化処理

酸化処理は、酸素や特別な薬を使って汚れを分解する方法です。
たとえば、オゾンや過酸化水素(かさんかすいそ)を使って、汚れを分解します。


処理の組み合わせ

多くの場合、いくつかの方法を組み合わせて使います。
たとえば、まずフィルターで大きなゴミを取り除いてから、化学処理や生物処理を使って、さらにきれいにします。


まとめ

除害施設は、工場から出る汚れた水をきれいにするための場所で、いろいろな方法を使って有害なものを取り除きます。
これにより、環境や人々の健康を守ることができます。



アルカリ性、中性、酸性、pHとは?


pH(ピーエイチ)とは?

pH(ピーエイチ)は、水がどれくらい酸性かアルカリ性かを示す数字です。
pHの値は0から14まであり、数字が小さいほど酸性が強く、大きいほどアルカリ性が強いことを意味します。


酸性とは?

酸性は、pHが7より小さい状態です。
酸っぱい味がするものが多く、レモン汁やお酢が酸性の例です。
酸性の水は、金属を溶かしたり、コンクリートを傷めたりすることがあります。


中性とは?

中性は、pHがちょうど7の状態です。
中性の水は普通の水で、飲み水や川の水などがこれに当たります。
中性は酸性でもアルカリ性でもない状態です。


アルカリ性とは?

アルカリ性は、pHが7より大きい状態です。
苦い味がするものが多く、重曹や石けん水がアルカリ性の例です。
アルカリ性の水は、汚れを落とす力が強いですが、強すぎると手や肌に悪い影響を与えることがあります。


pHの例

  • レモン汁 - pH 2(強い酸性)
  • 酢 - pH 3(酸性)
  • 飲み水 - pH 7(中性)
  • 石けん水 - pH 10(アルカリ性)
  • 重曹 - pH 9(アルカリ性)

まとめ

pHは、水が酸性か中性かアルカリ性かを示す数字です。
pHが7より小さいと酸性、7ちょうどだと中性、7より大きいとアルカリ性になります。
pHの値を知ることで、水の性質を理解することができます。



酸性排水の影響


1.酸性の排水

酸性の排水(pHが7より小さい)は、次のような悪影響を与えることがあります:

  • 金属の腐食 - 酸性の水は金属を溶かしやすく、パイプや機械が腐食して壊れる原因になります。
  • 環境への影響 - 酸性の排水が川や湖に流れ込むと、水生生物に悪影響を与え、魚や植物が生きられなくなることがあります。
  • 健康への影響 - 酸性の水は人や動物の健康にも悪影響を与えることがあります。
    特に強酸性の水は肌や目に刺激を与えます。

酸性の排水の処理方法

酸性の排水は、水がすっぱくて、金属を溶かしてしまう性質があります。
これをそのまま下水に流すと、パイプが傷んだり、環境に悪い影響を与えたりします。
そこで、酸性の排水にアルカリ溶液を混合して中和して安全にする中和法があります。


使うアルカリ溶液:

中和法では、以下のようなアルカリ溶液が使われます:

  • 水酸化ナトリウム(NaOH) - 強いアルカリで、酸性の排水を効果的に中和します。
  • 水酸化カルシウム(Ca(OH)2) - 別名「消石灰」とも呼ばれ、酸性の排水を中和するのに使われます。
  • 炭酸ナトリウム(Na2CO3) - 別名「ソーダ灰」とも呼ばれ、比較的弱いアルカリとして使われます。

酸性の排水を中和する中和法の手順

中和法の手順は以下の通りです:

  • 排水のpHを測定 - まず、排水がどれくらい酸性かをpH計で測ります。
  • 適量のアルカリ溶液を準備 - 排水のpHに応じて、必要な量のアルカリ溶液を用意します。
  • アルカリ溶液を排水に加える - 少しずつアルカリ溶液を加えながら、よく混ぜます。
  • pHの確認 - 途中で何度かpHを測り、排水が中性(pH7)に近づくまでアルカリ溶液を加えます。

中和法の利点

  • 効果的 - 酸性の排水を迅速に中和できます。
  • 操作が簡単 - 手順が簡単で、特別な設備が必要ありません。
  • コストが低い - 使用する薬品が比較的安価です。

中和法の注意点

  • 適切な量のアルカリ溶液を使用 - 過剰に使用すると、今度は排水がアルカリ性になりすぎることがあります。
  • 安全に取り扱う - アルカリ溶液は強い薬品なので、取り扱いに注意が必要です。

中性排水の影響

中性の排水

中性の排水(pHがちょうど7)は、環境や設備に対して最も安全で、ほとんど問題を引き起こしません。
中性の水は、自然界の水に近いため、環境への影響も少ないです。



アルカリ排水の影響

アルカリ性の排水

アルカリ性の排水(pHが7より大きい)は、次のような悪影響を与えることがあります:

  • 設備の損傷 - アルカリ性の水は一部の材料や塗料を溶かし、設備を傷めることがあります。
  • 環境への影響 - アルカリ性の排水が自然の水に混ざると、pHが高くなりすぎて水生生物に悪影響を与えます。
    特に植物や魚にとって有害です。
  • 健康への影響 - 強アルカリ性の水は肌や目に強い刺激を与え、飲むと体に悪影響を及ぼします。

アルカリ性の排水の処理方法

アルカリ性の排水は、水が苦くて、油を溶かす性質があります。
これをそのまま下水に流すと、パイプや環境に悪い影響を与えます。
そこで、アルカリ性の排水を中和して安全にする方法があります。


酸性溶液による中和法

アルカリ性の排水に酸性の溶液を加えて中和します。
これで排水が安全になります。


使う酸性溶液:

  • 硫酸(りゅうさん)
  • 塩酸(えんさん)
  • 酢酸(さくさん)

アルカリ性の排水を中和する中和法の手順

  • 排水のpHを測ります。
  • 適量の酸性溶液を準備します。
  • 少しずつ酸性溶液を排水に加えて、よく混ぜます。
  • 途中で何度もpHを測り、排水が中性に近づくまで調整します。


中和法の注意点

  • 適切な量のアルカリ溶液を使用 - 過剰に使用すると、今度は排水がアルカリ性になりすぎることがあります。
  • 安全に取り扱う - アルカリ溶液は強い薬品なので、取り扱いに注意が必要です。

まとめ

排水のpHは、環境、設備、人の健康に大きな影響を与えます。
酸性やアルカリ性の排水は、適切に処理して中性に近づけることが大切です。
これにより、環境を守り、安全に排水を処理することができます。



よう素消費量の多い排水とは?

「よう素消費量」という言葉は、排水の中にどれくらい汚れが含まれているかを測る方法の一つです。
よう素という薬品を使って、水の中の汚れを分解するのに必要な量を調べます。


よう素消費量が多い排水

よう素消費量が多い排水というのは、たくさんの汚れが含まれている排水のことです。
よう素をたくさん使わないと、この汚れを分解できないという意味です。


よう素消費量が多くなる原因

排水の中に以下のような汚れが多いと、よう素消費量が多くなります:

  • 有機物 - 食べ物のカスや油、植物のクズなどです。
  • 化学物質 - 工場から出る薬品や洗剤などです。

影響

よう素消費量が多い排水は、環境に悪い影響を与えることがあります。
例えば、川や海に流れると、水生生物に悪影響を与えます。


対策

よう素消費量が多い排水は、きれいにするために特別な処理が必要です。
例えば、フィルターでゴミを取り除いたり、微生物(びせいぶつ)を使って汚れを分解したりします。


まとめ

よう素消費量が多い排水は、たくさんの汚れが含まれている排水です。
このような排水をきれいにするためには、特別な処理が必要で、環境を守るために重要です。



浮遊物質(SS)とは?

浮遊物質またはSSは、水の中に浮かんでいる小さなゴミや汚れのことを指します。
これらは水に溶けずに浮いているので、「浮遊物質」と呼ばれます。

  • 水に溶けない - SSは水に溶けず、固体のまま水中に浮かんでいます。
  • 大きさ - SSは目に見える大きさのものもあれば、顕微鏡でしか見えないほど小さなものもあります。
  • 重さ - SSは通常、水よりも重いため、静かにしておくと水の底に沈むことがあります。

浮遊物質の種類

浮遊物質にはいろいろな種類があります。
例えば:

  • 泥や砂 - 川や湖の底から巻き上げられたものです。
  • 植物のカス - 枯れ葉や小さな枝などの植物の残りかすです。
  • 食べ物のカス - 台所から出た食べ物のクズや油です。
  • 微生物 - 目に見えない小さな生き物です。
  • 水処理の効率 - 水処理施設でSSが多いと、フィルターが詰まりやすくなり、処理効率が低下します。

SSの測定方法

SSの量を測定するためには、次のような方法があります:

  • ろ過法 - 一定量の水をフィルターでこして、フィルターに残った固形物の重さを測ります。
  • 遠心分離法 - 水を高速で回転させて、重い固形物を分離して、その量を測ります。

浮遊物質の影響

浮遊物質が多いと、水が濁ってしまいます。
これにはいくつかの悪影響があります:

  • 見た目が悪い - 水が汚れて見えるので、見た目がよくありません。
  • 水中の生き物に悪影響 - 浮遊物質が多いと、水中の生き物が呼吸しづらくなったり、住みづらくなったりします。
  • 飲み水として使えない - 浮遊物質が多い水は、飲み水として適していません。


浮遊物質の処理方法

浮遊物質を取り除くためには、いくつかの方法があります:

  • 沈殿(ちんでん) - 水を静かにして、浮遊物質を底に沈めます。
  • ろ過(ろか) - フィルターを使って、水から浮遊物質をこし取ります。
  • 生物処理(せいぶつしょり) - 微生物を使って、浮遊物質を分解します。

まとめ

SSの量を測ることは、水質を評価するために重要です。
SSの量が多いと、水が濁り、生物に悪影響を与えることがあります。
また、SSは水処理施設での処理効率に影響を与えるため、管理が必要です。

これを取り除くためには、沈殿、ろ過、生物処理などの方法が使われます。


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