ドローンとDXが切り拓く、新しい維持管理の形を詳しく解説します。
諏訪 美管
とおるさん!最近「下水道DX」とか「ドローン調査」って言葉をよく聞きますけど、下水道調査の世界もどんどんハイテクになってるんですね!
管 とおる
いいところに気づいたね、みかんちゃん。
実は今、下水道の点検は「人が入らない」という大きな目標に向かって進化しているんだよ。
実は今、下水道の点検は「人が入らない」という大きな目標に向かって進化しているんだよ。
諏訪 美管
「人が入らない!?」
危険な場所での作業が減るってことですか?それはすごい!でも、どうやって調査するんですか?
危険な場所での作業が減るってことですか?それはすごい!でも、どうやって調査するんですか?
管 とおる
そこで活躍するのがドローンや最新のセンサー技術なんだ。
2030年に向けた「DXロードマップ」についても、今日は詳しく解説していくよ。
【出典・参考リンク】
管路メンテナンス技術の高度化・実用化に向けた取組方針について(国土交通省PDF)
2030年に向けた「DXロードマップ」についても、今日は詳しく解説していくよ。
【出典・参考リンク】
管路メンテナンス技術の高度化・実用化に向けた取組方針について(国土交通省PDF)
諏訪 美管
未来の下水道調査ですね!ワクワクします!♪
最先端の技術、しっかり勉強させていただきます!
最先端の技術、しっかり勉強させていただきます!
従来の目視点検やTVカメラ調査に加え、近年ではドローンやAIを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進展しています。
本記事では、最新の調査データに基づき、なぜ今ドローン技術が必要なのか、そして2030年に向けた「管内No Entry」へのロードマップについて、プロの視点から詳しく解説します。
下水道管路調査の今後:全国特別重点調査から読み解く「No Entry」へのロードマップ
諏訪 美管
とおるさん、
そもそもなぜ今になって急にドローンやカメラをもっと使おうっていう議論が白熱しているんですか。
そもそもなぜ今になって急にドローンやカメラをもっと使おうっていう議論が白熱しているんですか。
管 とおる
それは、2025年に起きた道路陥没事故をきっかけに、『人が入れない危険な下水道の点検はドローンに任せたいのに、機材もルールも全く足りていないから急いで整えよう!』と国が本気で動き出したからなんだ。
道路陥没事故が教える「点検」の限界
2025年1月の埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故は、これまでの管理体制に潜む「隙間」を浮き彫りにしました。八潮市の事例は、目視点検の隙間に潜む空洞のリスクを浮き彫りにした。
諏訪 美管
陥没のメカニズムをもっと知りたい方はこちら:
従来のTVカメラ調査手法だけでは、都市の安全を完全に守ることはもはや不可能です。
今、自治体に求められているのは、「守り方のアップデート」
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予防保全への転換壊れてから直す「事後保全」を卒業し、データの力で予測して直す体制へ移行する。
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メリハリと重点化全管路を一律に扱うのではなく、リスクの高い路線に予算と技術を集中させる。
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デジタルで見える化DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、地下の闇を「テクニカルに可視化」する。
「都市の安全」を果たすため、デジタル主導の管理が急務となっています。
諏訪 美管
デジタル主導の管理を知りたい方はこちら:
諏訪 美管
アーカイブ:セミナー視聴はこちら。:
重点調査結果が暴く「人への過度な依存」の限界
諏訪 美管
陥没事故のあと全国で実施された特別重点調査はどのような結果だったんですか?
管 とおる
重点調査では、調査した範囲のうち、1割が緊急度1という、衝撃的な結果だったんだ。
八潮市の事故を契機に実施された「全国特別重点調査」の結果は、現場が抱える構造的な歪みを鮮明に描き出しました。
点検が必要な管路のうち、実に約1割で直ちに改築が必要という衝撃的なデータが示されています。
キーワードは「管内No Entry」――ドローンが切り拓く突破口
諏訪 美管
重点調査の結果を見ると、もう陥没がいつどこで起きてもおかしくない状況ですよね。
管 とおる
そう、だからこそ、これからは事故を未然に防ぐために正確かつ効率よく調査を進める必要があるんだ!なにより1番大事なのは人が下水道に入らずに安全に調査するってこと!
戦略目標「管内No Entry」:安全保障としての再定義
人命リスクを構造的に排除し、持続可能な維持管理体制を構築する新機軸。
これまでの下水道調査では、大口径管を中心に作業員が直接中に入る「潜行目視」が主流でした。
しかし、そこには酸素欠乏や有毒ガスの発生、突発的な増水といった、常に人命リスクが付きまといます。
そこで掲げられたのが「管内No Entry(管路内不進入)」宣言です。
これは単なる作業の効率化ではなく、危険な場所には人を入れず、デジタル技術でロボットやドローン調査へシフトする「インフラ安全保障」を目指しています。
点検の常識を変える「機動力」と現実的な課題
下水道管路の点検において、最も深刻なのが「No Entry(立入不可)」箇所の存在です。有毒ガスの発生リスクや、水位が高く歩行が困難な大口径幹線など、人間が物理的に入れない場所の調査は、これまでの「目視」という選択肢を奪ってきました。
この「立ち入り困難」という絶対的な壁を打ち破る手段が、ドローンによる空中からのアプローチです。
経年劣化の正確な比較を可能にし、修繕の優先順位を論理的に導く。
下水道という特殊な環境下でドローンを運用するには、地上用とは一線を画す「専用のスペック」が求められます。
具体的には、以下の4つの機能が実装の鍵となります。
暗闇や衝突防止に対応。高価な機体をいかに「発注の仕組み」に乗せるかが普及の鍵。
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1. 長距離飛行(1,000m級)への到達現状の300m程度から「1,000m程度」への航続距離延長。これにより、マンホール間隔が広い幹線や、人による立ち入りが困難な長距離区間の連続調査が可能になります。
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2. 飛行時間の飛躍的な延長現状の10分程度という制約を打破し、大幅な延長を目指しています。バッテリー効率の向上は、一回の潜行で得られる情報量を最大化し、調査コストの低減に直結します。
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3. 非GNSS・暗所等の「悪条件」対応GPSが届かない地下空間での自己位置推定、真っ暗闇を照らす高輝度照明、さらに曲線部や段差を回避する衝突防止センサーなど、管路特有の障害を克服する知能が求められます。
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4. 硫化水素計測などの特殊センサー搭載単なる映像撮影に留まらず、硫化水素濃度の連続測定や高度な防水機能を装備。管路の腐食リスクを科学的に分析するための「飛ぶ計測器」としての進化が急務です。
飛行式ドローンの物理的制約
下水道管路内でのドローン活用が注目され始めてから約10年。かつては非GNSS(GPSの届かない)環境や狭い管内での安定飛行が大きな壁となっていましたが、ここ数年でようやく実用レベルに到達しました。
しかし、現場への導入にあたっては、その「機動力」の裏にある制約を正しく理解しておく必要があります。
高水位や電波遮断への事前対策が導入成功の鍵。
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圧倒的な画質と接近性浮流式カメラと異なり、流況の影響を受けずに異常箇所へ直接接近できます。風の影響は考慮が必要ですが、画質面では一般に浮流式よりも良好で、詳細な調査が可能です。
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運用上の物理的制約一定の飛行空間を確保する必要があるため、使用可能な水位の範囲が浮流式に比べて限定されます。また、バッテリー容量による延長の限界や、カーブ部での電波遮断といったリスク管理が不可欠です。
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調達と技術のハードル機体自体が高価であり、一般的な調査企業が標準装備するには至っていません。操縦にも一定の習熟が必要なため、専門技術を持つパートナーとの連携が普及の鍵となります。
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今後の展望と技術課題クラック幅の精密な計測など、まだ技術的に困難な面も残されています。今後は低コスト化や技術資料の整備を進め、ドローン業界が下水道維持管理に参入しやすい環境づくりが求められています。
諏訪 美管
操縦技術の課題もあるんですね~。もし調査の途中で電池が切れて、暗い管の中にポチャン……なんてなったら……。
想像しただけで、もう目が回っちゃいそうです〜!
想像しただけで、もう目が回っちゃいそうです〜!
管 とおる
確かにコストや熟練操縦士の不足といった高い壁はあるけれど、ドローン業界との強力な連携や、ICTを前提とした『新しい調査歩掛』の策定が進めば、この課題は必ずブレイクスルーできるはずだよ。
諏訪 美管
なるほど!課題を一つずつクリアしていくことで、さらに心強い味方になっていくわけですね。ドローンが下水道調査の『最強の相棒』になる日が、今からとっても楽しみです!
2030年へのロードマップ――需要創出で変わる下水道の未来
諏訪 美管
ちなみに、陥没事故のあとに行われた特別重点調査ってやっぱりドローンでの調査が多かったんですか?
管 とおる
それが、調査の6割は人間が危険な下水道の中に入って直接調査する潜行目視、浮遊式カメラ調査が約14%。ドローンに至っては、わずか数スパンだったんだ。
諏訪 美管
ええー--!?
それってせっかくロボット掃除機があるのに、あえてゴキブリいっぱいの部屋を、人間が四つん這いになって雑巾がけしているような状況じゃないですか。
それってせっかくロボット掃除機があるのに、あえてゴキブリいっぱいの部屋を、人間が四つん這いになって雑巾がけしているような状況じゃないですか。
八潮市の事故を契機に実施された「全国特別重点調査」の調査方法の内訳を見ると、依然として「潜行目視」が6割以上を占めています。
人が入るためにポンプの連続運転や夜間貯留といった多大なコストとリスクを支払う現状は、非効率の極みと言わざるを得ません。
約1割が即時改築レベルという事実は、もはや一刻の猶予もないことを示す。
出典:下水道管路更生工法施工管理要領(案)改訂版(国土交通省)
第4回下水道管路メンテナンス技術の高度化・実用化推進会議(令和8年3月12日)
第4回下水道管路メンテナンス技術の高度化・実用化推進会議(令和8年3月12日)
諏訪 美管
ほんとだー!!せっかくドローンがあるのにどうしてこんなことに!?
管 とおる
まさにそこが問題で、技術の進化とそれが現場に普及するまでの間には、単なる機械の性能だけでは語れない限界が存在するんだ。わかりやすくいうと次の3つのモンスター[お金と電池]・[ルールがない]・[パイロット不足]が問題になっているんだよ。
諏訪 美管
現れたなモンスター!一体どうすれば・・・
管 とおる
みかんちゃん、落ち着いて!
このモンスターたちを打破するために国交省が2030年までの飛行式ドローンのかなり本気なロードマップを出したんだ。
これまでの「人力の方が安いから」という構造を、国が主導して変えようとしているんだよ。
このモンスターたちを打破するために国交省が2030年までの飛行式ドローンのかなり本気なロードマップを出したんだ。
これまでの「人力の方が安いから」という構造を、国が主導して変えようとしているんだよ。
需要創出と供給力強化:負のスパイラルを断つ国交省の戦略
これまでドローン調査の普及を阻んできた最大の要因は、「潜行目視の方が安価」という市場の失敗、いわば負のスパイラルにありました。
国土交通省はこの構造を打破するため、需要創出と供給力強化の同時並行を強化した戦略的なロードマップを提示しました。
行政の意思表示が市場を動かし、維持管理のエコシステムを再構築する。
段階的な基準整備により、ドローン調査が「特別な試行」から「標準」へ変わる。
諏訪 美管
なんだか文字がいっぱいで難しいです。簡単に説明お願いします。
管 とおる
つまり、ドローンは高額だし操縦も難しいから墜落リスクもあるでしょ。
その責任の所在や積算基準もあいまいだから自治体としては発注しずらいし、「安くて墜落の責任もとってくれるなら使いたい」っていう気持ちなんだ。
かといって開発企業の立場だと、ドローンの出番を保証してくれないと開発や量産も遅れてしまって今は負のスパイラルな状況ってわけ。
その責任の所在や積算基準もあいまいだから自治体としては発注しずらいし、「安くて墜落の責任もとってくれるなら使いたい」っていう気持ちなんだ。
かといって開発企業の立場だと、ドローンの出番を保証してくれないと開発や量産も遅れてしまって今は負のスパイラルな状況ってわけ。
諏訪 美管
それもそうですよね。
あ!!じゃあ、操縦がうまい人が増えればいいんじゃないですか!?
そうすればドローンが活躍する機会も増えて開発も進みますよね!
あ!!じゃあ、操縦がうまい人が増えればいいんじゃないですか!?
そうすればドローンが活躍する機会も増えて開発も進みますよね!
管 とおる
そうそう!そういうこと!だから国は、さっきのロードマップでドローン操縦士の資格制度や研修システムを作り人を育てる検討をしたり、きちんと基準を整備しようと検討しているんだ!
次の4つの柱に沿った内容となっているんだ。
現場のリアルなニーズを反映し、実用性の高いツールを供給する。
諏訪 美管
なるほど!これなら自治体の人は資格をもった人がガイドライン通りにやってくれれば安心だし、仕事を受ける側も資格をとったりルール通りにやれば安心して投資できますもんね!
2030年までの私たちもドローンの技術をしっかり磨いて貢献していきたいですね!♪
2030年までの私たちもドローンの技術をしっかり磨いて貢献していきたいですね!♪
管 とおる
その意気だね、みかんちゃん。新しい技術は手段だけど、目的は「市民の安全を守ること」なんだ。
これからも地下の安全を支えるプロとして一緒に頑張ろう。次回も現場の最前線をお届けするよ!
これからも地下の安全を支えるプロとして一緒に頑張ろう。次回も現場の最前線をお届けするよ!
下水道のお困りごとは
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