革新的な排水管コーティングシステム:サビ除去から保護まで - (第27話)

2022年9月6日火曜日

排水施設 補修



管 とおる

みかんちゃん、スマートビューの事は理解できたかな?
→【第26話】進化した点検と調査の方法:スマートビュー ~2022下水道研究発表会~←

諏訪 美管

はい♫ 点検が効果的なことが理解できました。
発表会の内容もとっても勉強になりました😀
今回は海外から取り寄せた新技術を紹介するね。
それは、配管を蘇らせるコーティングシステムなんだ。
おーーーーー、なんかすごそう。
よろしくお願いします。








配管のサビ

みかんちゃん、前に排水管清掃について勉強したよね
そうそう!
でもね、つまりを取ったからといっても管は新品同様にきれいになるわけじゃないんだ。
え~、
つまりを取ったら管の中は元通りにきれいになるんじゃないんですか~?
この写真を見てみて!
…?これは何ですか?
これは鉄でできた排水管の「サビ」だよ。
鉄は放っておくとだんだんサビついてくるよね。
これと同じことが排水管でも起きるんだ。
そうなんですね じゃあこのサビもワイヤー清掃機で落としちゃえば元通りに…?
それがそう簡単にはいかないんだ。
まず、鉄管の表面が錆びていると、いくらサビを落としてもまたサビてきちゃうんだ。
えー!?じゃあいくらサビを落としてもムダってことですか~!?
そして、サビというのは管に使われている鉄が溶けだしているイメージ
だからサビが付いている場所はほかに比べて管が薄くなっているんだよ。
え!?それじゃあ管に穴が開いちゃうんじゃ…?
その通り!
脆くなったところにワイヤーや洗浄ホースがこすれると穴を開けて漏水させてしまうことがあるんだ。
実は昭和のころの鉄管はとくに錆びやすいんだ。
現在の管は樹脂コーティングされたものになってるから錆びにくくはなってるんだよ。
極論を言えば、こんな感じになっちゃうよ
じゃあ、錆びやすい昔の管は交換するしかないんですね(泣)
でもよく思い出してみて!
排水管は建物のどこにあったかな?
えっーと、床や壁の中ですか?
そう、だから管を交換するには床や壁を剥がさなきゃいけないんだ
コンクリートの床を貫通している排水管もあるけど、床には防水層や断熱材があって管を交換するとそれらも直さなきゃいけなくなるんだ
うわぁ~やることがいっぱい…
だから、今回紹介したいのがコレ!なんだ


コーティングシステム

あっ!これはマッドサイクロン!
サビを取り除くにはやっぱりコレですよね!
…ですけど上に何かついているような
よく気が付いたね!
そう、この装置が今回の主役「マッドサイクロンコーティングシステム」なんだ!
「コーティング」ってことは管に何かを塗るってことですか?
そう!この装置は樹脂を管に塗るんだ!
サビ止めとなる樹脂を塗ってサビを防ぐんだよ
どうやって管の中に塗っていくんですか?
全体の流れはこんな感じ!管をきれいにした後、樹脂を管内に塗っていくんだ!
おおおぉ~~キレイ!!!
具体的には、樹脂をポンプで送って、マッドサイクロンのシャフトの先についている2つのブラシで樹脂を管に塗っていくよ。
作業中はカメラで管内を確認できるから確実に施工できるんだ。

下の動画をみるとわかるけど、タラタラ垂れているのが樹脂
それを、マッドサイクロンで管壁に塗るんだよ。

カメラでずっと見ることができるならすごく安心ですね!!
それじゃあ実際に塗ってみるよ!


コーティング作業状況

わー、見違えるほどきれいですね~!
でも1層目と2層目の色が違うのは理由があるんですか?
みかんちゃん、良いところに気がついたね👀!!
コーティングは2回塗る事が施工方法なんだ。
樹脂の色は、「白」と「グレー」

もし、同じ色の樹脂を使って、2層塗るとしたら困ることがあると思うけど何かわかるかな?
同じ色だとちゃんと塗れているかわかりにくいからかなぁ?
ピンポーン正解🥇!!

樹脂コーティングは塗り残しがあるとサビ止め効果がうまく発揮できないんだ。
だから、2層目もちゃんと塗れているかがわかりやすいように色を変えるんだよ。

黒い管の場合は、 もとが黒いから 1層目に「白」、2層目に「グレー」、
白い管の場合は、1層目に「グレー」、2層目に「白」を塗るんだ!
なるほど~!これなら塗り残しの心配がないですね!!
ちなみに樹脂は耐水性・耐薬品性・耐食性に優れたエポキシ樹脂で、カートリッジに入っていて、調合も自動でしてくれるから分量を間違えることもないんだ。
それは便利ですね~~~!!
それにコーティング前の管の研磨からコーティングまで全てこの1台の機械で全部できちゃうし、
とてもコンパクトでどんなところでも使えるんだ!

鉄の管以外にも、例えば、交換することが難しい管の損傷した部分だけコーティングして補修することも1つの方法として検討できるんだ。
それなら管の交換とか大がかりなことをしなくてもすみますもんね!

今までは管の中のつまりを抜いたらそれで終わりだったけど、これからは管を守って長持ちさせることもできるようになったんだよ!
マッドサイクロンてすごいですね~~!!!
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