管 とおる
諏訪 美管
計画的維持管理の主な目的について理解しました。
下水道維持管理における優先度の検討方法
KANMAGAでも今まで何度か聞いてるけど、日本の下水道の総延長は?
ちなみに地球から月までの距離は約38万kmなので、地球から月までの距離より日本の下水道の総延長の方が長いんですよね~!
では、48万kmの下水道のうち点検が必要な管はどれくらいあるか分かるかな?
う~ん、既に50歳を超えた管はたくさんありそうだけど、どれくらいあるんですか??
これは例えば東京からだとイタリアのシチリア島とか、ジャマイカや南アフリカの方まで行けちゃうくらい長いんだ!
とおるさん、寿命を過ぎた管がそんなにたくさんあって、一体どこからどうやって調査や補修していけばいいんですか!?
リスク評価による優先度の検討方法
管路施設で想定されるリスク評価は、点検・調査・修繕・改築の優先順位を検討するために実施します。
リスク評価は、リスクが発生した場合の「被害規模」と被害の「発生確率」を分析してリスクの大きさを評価します。
引用:ストックマネジメント手法を踏まえた 下水道長寿命化計画策定に関する手引き
下水道の異状を放置するリスクについて
以前KANMAGAでも管の異状について書いたからよかったら復習してね。
下水道の異状発見: 緊急度判定のための専門家ガイド (第7話)
異状 | リスク |
---|---|
破損・クラック |
・道路陥没による人身事故・交通障害 ・下水道利用者への使用制限や中止 |
浸入水 |
・空洞化誘発による陥没 ・処理水量増による処理費の増大 |
たるみ | ・臭気発生・腐食を誘発 |
油脂・モルタル・木根 |
・管路の閉塞 ・下水道利用者への使用制限や中止 |
マンホール蓋の劣化 |
・がたつきよる騒音 ・スリップによる交通事故 |
有毒ガス発生 |
・悪臭の発散 有毒ガスの噴出 |
漏水 | ・地下水土壌汚染による環境汚染 |
それから、次のような場所で事故が発生してしまったら、その対応が難しかったり事故の影響が大きいってことを覚えておいてね。
評価の視点 | 内容 |
---|---|
機能上重要な施設 |
幹線管路 下水処理場に直結した管路 処理場と重要な防災地点を繋ぐ管渠 |
社会的な影響が大きい施設 | 日常・緊急時に交通機能確保を図るうえで重要管渠 |
事故時に対応が難しい施設 |
伏越し 事故時に切り回しが難しい管渠 埋設深が深い管渠 交通量が多く迂回が難しい道路下 |
ではもう一度この表を見てみよう(^^)
引用:ストックマネジメント手法を踏まえた 下水道長寿命化計画策定に関する手引き
次は、下水道の保守管理について簡単に説明するね。
下水道の保守管理の方法とは?
予防保全
予防保全は、故障が発生する前に定期的に保守作業を行うことで、設備の故障リスクを最小限に抑える保全手法です。
予防保全には、時間計画保全と状態監視保全があります。
時間計画保全
時間計画保全は、施設の特性に合わせた時間や運用サイクルに基づいて保守作業を行う手法です。
使用時間や稼働時間に応じて、点検や調査を計画的に実行します。
状態監視保全
状態監視保全は、設備の実際の運用状態を監視し、そのデータを基に保守作業の必要性を判断する手法です。
設備の状態をリアルタイムで把握し、問題を早期に発見します。
事後保全
事後保全は、施設の異状や劣化、機能障害が発生した後に、対策を行う管理方法です。
下水道の維持管理はとっても奥深く難しいんだ。 次回は、実際にどうやって下水管を点検・調査していくかを説明するね。
カンツールオンラインセミナーについて
第2回[洗浄ノズルの選択と応用]
ですよねーー♪わたしもYouTubeで見ましたよ~
セミナー | 内容 |
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第1回「下水道維持管理におけるカメラの種類と注目されるスクリーニングとは何か?」 下水道の維持管理で必要とされるカメラ技術の基礎から応用までを解説。カメラによる点検、調査、スクリーニングの重要性と、最新技術や製品の展望を紹介します。 |
アーカイブのお申し込みはこちら
※お申し込み内容を弊社が確認次第、視聴アドレスをお申込み時のメールアドレスにお送りいたします。 |
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第2回「下水道管内清掃技術と高圧洗浄ノズルの選択と応用」 海外のトップクラスのノズルメーカーであるKEGとENZの製品を例に、土砂搬出、モルタル除去、油脂除去など、特定の目的に合わせた最適なノズルの選択方法について詳しく解説。実際の現場での使用例と撮影映像を交えて紹介します。 |
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※お申し込み内容を弊社が確認次第、視聴アドレスをお申込み時のメールアドレスにお送りいたします。 |
ちなみに3/26(火)は第3回のセミナーとしてスクリーニング点検の現場作業から報告書作成までの全工程を解説するよ!
第3回セミナー「下水道維持管理のスクリーニング点検の実務: 現場作業から報告書作成までの全工程を解説」
2024年3月26日(火)第3回セミナーのお申し込みはこちら
いつも拝読させて頂いております。
返信削除非常に解り易く解説されており、知識習得に助かっております。
流石は、調査業界のパイオニア、これからも宜しくお願い致します。
K.K.Y様、いつも読んでくださっているとのこと、嬉しいです!!ありがとうございます。あたたかいコメントもとっても励みになります!これからも下水道のこと分かりやすく発信していきますので応援よろしくお願いします。
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