CWPG株式会社が取り組む水支援活動の一環として3月に東ティモールを視察しました。
CWPG株式会社は途上国の水環境向上に向けた活動を目的に、グループ会社である管清工業株式会社が主要出資者となり2022年に設立。現在、CWPG、管清工業、東ティモール国立職業センターが協力し、人材育成能力開発プログラムを構築しています。
カンツールはこの活動を支援するため、2024年に東ティモールへ排水管・下水道維持管理機器を寄贈しました。この取り組みを通じて、東ティモールの水インフラ整備と持続可能な社会の実現を目指しています。
管 とおる
東ティモール、どうだった?
諏訪 美管
一番の感想としては、生活では不便な面もあるかもしれないけど、とにかく人が優しいのと、みんな楽しく幸せそうで、とてもあたたかい国でした。
管 とおる
諏訪 美管

農村部の子供たちは特にフレンドリー。大人も手を振ってくれます

雨宿りさせてくれたお宅にて
管 とおる
水の意識は違った?
諏訪 美管
給水所に水を汲みに行く人たち、大きなタンクにポンプで水を溜めてシェアする人たち、それすらない場所だと山まで源水を汲みに行かなくちゃならないんです。

ディリ市内の水汲み場。写真奥には東ティモールで最も高い10階建の財務省庁舎が見える。近代化が進む一方、一歩町へ入ると水の確保が困難な地域があり、インフラの格差を感じる。

雨水も貴重!溜めて使います。
管 とおる
諏訪 美管
東ティモールには下水道が1本もない!?
諏訪 美管
管 とおる
みんなちゃんと使えていたかな?
諏訪 美管

指導員の説明を真剣に聞く生徒たち

バリュー・PONTAを使用したトイレのつまり抜き研修
管 とおる
ところで現地のインフラ事情はどうだった?
諏訪 美管
東ティモールには、なんと「下水道が1本もない」んです!
排水管はあるので正確には公共下水道が1本もないってことなんですけど、排水も、家から簡単なパイプを通して外に出して、そのまま側溝に流したり庭や地面に浸透させるだけの家庭がほとんどみたいです💦

[写真中央付近] 各家庭から排水パイプが側溝に伸びており生活雑排水がそのまま流されている
管 とおる
諏訪 美管
家庭の雑排水は、地面に浸透させたり、そのまま川や海へ流れてしまいます。
衛生面も心配だし、未処理の排水が巡り巡って飲み水や食べ物にも影響するって知っている人、少ないと思うんですよね。

郊外のマーケットの様子

視察に行った3月は雨期で、道路に水があふれだしている場所もありました。
管 とおる
健康被害とか水質汚染が心配だね。
諏訪 美管
東ティモールでは下痢性疾患が公衆衛生上の重要な課題となっていて、特に子供たちの主要な死因の一つになっているみたいなんです。
管 とおる
ちなみに管がつまった時はどんな機械を使っているの?
諏訪 美管
ただ、CWPGにはカンツールが寄贈した機械があるので、
「CWPG事務所=ティモール唯一の排水業者」なんですよ!!!
管 とおる
まあ、家庭から短いパイプで直接外に流すだけならあまり管は詰まらなそうだもんね。
諏訪 美管
諏訪 美管

最大5階建てのビルを含むモール型複合施設“ティモールプラザ”

ホテルやレストラン、カフェなど、排水設備の整った施設も首都には想像より多く存在していました。
管 とおる
諏訪 美管
発展が期待される東ティモールでは今後排水設備の整った施設が多く建設されると思うんですけど、その時彼らが管理できるよう、 “未来の仕事”につながっているって感じがしました。
排水設備が不十分な国で排水技術をどう伝えるか ~ 国立職業能力開発センター訪問 ~

国立職業能力開発センター(CNEFP-Tibar)は雇用機会の拡大やスキル開発を目的に設立された国立の教育機関。広い敷地内には様々な建屋があり、建設・配管・金属・オフィススキル・ホスピタリティなど様々な分野があります。
管 とおる
諏訪 美管
東ティモールの国立職業能力開発センター(CNEFP-Tibar)に訪問したんですけど、そこで今後の連携についての話し合いが行われたんです✨
管 とおる
諏訪 美管
それができれば、覚えた技術を練習することができたり、排水のしくみが分かるんじゃないかなって✨

カンツール松戸テクニカルセンター内にある排水技術研修室
管 とおる
諏訪 美管
こういった支援に対して職員さんが涙するシーンもあって「ありがとう」って言葉が、すごく重みありました。
管 とおる
諏訪 美管
例えば、いま東ティモールに日本の造船メーカーにより大きな港が建設中なんですけど、この訓練所出身の生徒も携わっていて、造船の溶接や塗装技術が活かされているそうですよ。

職業訓練センターの卒業生が東ティモール内で職業に従事していることを表したマップ。年々増えているとのこと

溶接・金属加工部門の研修風景
管 とおる
手つかずの大自然と農村部の村のくらし
管 とおる
諏訪 美管
管 とおる
僕も昨年行ったよ!懐かしいな~
セロイ村の水事情



諏訪 美管
管 とおる
諏訪 美管
管 とおる
このタンクにさっきの井戸水を溜めているってこと?
諏訪 美管
管 とおる

[左]空のボトル [右]カフェの手洗い場の水。この付近の赤土の影響か、手洗い場の水は少し濁っていました。

セロイ村には職業訓練所の生徒が建てた立派な宿泊施設やカフェ、湖にはこのような映えスポットもありました。
マタタ村の水事情
諏訪 美管
管 とおる
今回はどこを見てきたの?
諏訪 美管
管 とおる
諏訪 美管
しかもこれ、アルマンドさんの手作りで、モーターを9つほどつないで源水からこのタンクに水を汲み上げる自作のポンプシステムなんですよ!!すごくないですか⁉
管 とおる
諏訪 美管
管 とおる

農村部のトイレは和式が多い。右の水槽の水は柄杓ですくい、トイレや体を洗うシャワー代わりとしても使用する。

マタタ村でいただいたお料理。家の横には自宅用の水タンクがありました。
諏訪 美管

アルマンドさんの説明を聞く

モルタルを固めてブロックを作る様子
管 とおる
小さな国が世界を動かす!戦火を超えて響く歌と願い
管 とおる
諏訪 美管
管 とおる
茶色い土地を1年で緑色に -国民的歌手は愛で大地を育む人
諏訪 美管
エゴさんは戦争後に悲しみを抱えていた東ティモールで、歌で人々を癒すだけではなく環境活動にも取り組んでいるんです。
管 とおる
ちなみにパーマカルチャーって知らない人も多いと思うからみかんちゃん簡単に説明お願い。
諏訪 美管
平たく言うと、“自然と共に生きる”っていう考えで、自然の力をうまく使って人と自然が共存できる持続可能な暮らしをつくるから、自然を汚さないしお金や利権に振り回されないし、SDGsを地に足つけて実践してる考え方なんですよ!
管 とおる
諏訪 美管
管 とおる
諏訪 美管
管 とおる
小さな国々の連帯が、国際社会を動かす
管 とおる
諏訪 美管
管 とおる
諏訪 美管
"g":group(グループ)
"7":設立当初の7か国(アフガニスタン、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、 ハイチ、リベリア、シエラレオネ、東ティモール)
"+"(プラス):その後に参加した他の国々を表していて、現在20か国が参加しているそうです。
管 とおる
諏訪 美管
g7+の存在はまだ国際的には広く知られていませんが、戦争の傷跡が色濃く残る国々だからこそ、「平和の尊さを世界に伝えられる」という姿勢で活動を続けています。
管 とおる
東ティモール視察を終えて
管 とおる
諏訪 美管
「人間の生活にはやっぱり水がいちばん大事!!」ってことと、
「支援は“人”を中心に考えるべき!」ってことです!!
管 とおる
諏訪 美管
その重要性を知って管理する人、学ぶ人、伝えていく人がいないと、せっかくの支援も意味をなさなくなっちゃうんです💧
だから、将来国を支えていく人たちと一緒に“学びながら作っていく”っていうことが大事だと感じました。
管 とおる
現地で印象的だったことは?
諏訪 美管
排水の仕組みがない中でも、自分たちの未来のために“できることから”始めてる姿がすごく素敵で感動しました。
諏訪 美管
管 とおる
諏訪 美管
農業も知識も技術も、誰かが使ってこそ意味がある。
だからわたしも“人を支える側の人”になりたいなって思いました🍊
管徹の東ティモール視察レポートはこちら
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