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排水管を壊さず再生!マッドサイクロンコーティング工法ガイド【第66話】

2026年6月8日月曜日

排水設備/排水管補修について

第1章:なぜ今「コーティング」が必要なのか - 排水管 補修 老朽化対策
日本のインフラ老朽化が加速する中、排水管維持管理の考え方が大きく変わろうとしています。
「壊して直す」から「内側から守る」時代への転換期です。

諏訪 美管

とおるさん!最近、マンションの排水管トラブルってよく聞きますよね。「壁を壊さないと直せない」と言われて困ってる人が多いみたいで……。

管 とおる

そうだね。日本のインフラは今、一斉に老朽化が進んでいるんだ。特に排水管は「見えない場所」だから、気づいた時には手遅れ、ということも多いんだよ。

諏訪 美管

えぇっ!手遅れ!?やっぱり壁や床を全部壊して、管を取り替えるしかないんですか……?

管 とおる

昔はそれが常識だった。でも今は、管を内側から蘇らせる「コーティング」という第2の道があるんだ。なぜ選ばれているのか、背景から整理してみよう。

諏訪 美管

「第2の道」……気になります!これからの維持管理のヒント、しっかり勉強させてもらいますね!♪

高度経済成長期に整備された配管の多くが、いま一斉に法定耐用年数の限界を迎えています。

壁や床を壊す従来の管引替え(更新)工事は、莫大なコストと長い工期がかかり、住民やテナントの負担も大きいのが難点です。

本記事では、建物を壊さず内側から再生する「管内コーティング(非破壊更生技術)」がなぜ今注目されるのか、インフラ老朽化の現状とあわせて解説します。



老朽化する排水管の危機!管引替えの壁を越える「マッドサイクロン」更生技術

高度経済成長期に敷設された配管の老朽化は、全国で待ったなしの課題です。

「詰まりを直したいが管がボロボロ」「引き替えたいが構造上むずかしい」——そんな壁に直面していませんか。

管内のサビは単なる汚れではなく、鉄そのものが溶け出した構造的な欠陥です。わずかな水圧変化や衝撃でピンホール(小孔)が開き、漏水してから気づく「手遅れ」のケースが後を絶ちません。

壁を壊す「管引替え」に立ちはだかる3つの壁

従来の「管引替え(交換工事)」には、発注者や利用者にとって重い3つの壁があります。

  • 破壊と復旧の労力
    壁や床を壊し、防水層や断熱材までやり直す必要があり、工事が大がかりになります。
  • 莫大な付帯コスト
    仮設足場代や内装の復旧費など、配管更新以外の費用が大きく膨らみます。
  • 生活・業務への影響
    長期間の騒音・粉塵に加え、住人の一時退去やテナントの営業停止を伴うこともあります。

従来の管引替え工事における課題 - 配管交換 工事コスト 生活への影響
破壊を伴う管引替え工事は、コスト面でも住民の精神面でも負担が大きすぎます。
これらに代わる「第三の道」が求められています。

管 とおる
こんな状態だからこそ、壊さず直す方法が必要なんだ。

「壊さず再生」を実現するマッドサイクロンコーティングシステムの全体像と適用条件

諏訪 美管
壊さず直すって、どういうことですか?

管 とおる
管内を「徹底的に削り、強固に塗る」。このステップで新品同様の滑らかさを取り戻すんだ。

配管コーティングのBefore/After比較 - 排水管更生 施工実績
ボコボコだったサビのコブを完全に除去し、エポキシ樹脂で管内面を強固に保護。
床や壁を壊さず、既存管の寿命を劇的に延ばせます。

施工可能なサイズ・長さ・腐食孔の限界

優れた技術でも、適用条件を誤れば施工不良につながります。守るべき適用範囲を押さえましょう。

  • 適用管径と施工延長
    管径はφ32mm〜200mm、施工長さは管口から最長15m以内が基本です。
  • 穴(腐食孔)の限界サイズ
    樹脂のみで塞げるのは直径5mm以下のピンホールまで。それ以上は別の補修が必要です。

諏訪 美管
管径はφ32〜200mm、長さは最長15mまで……。なぜ15mが上限なんですか?もっと長い管だったら、どうすればいいんでしょう?

管 とおる
ブラシの回転力は、管口から離れるほど伝わりにくくなるんだ。15mを超えると均一な研磨も塗布も保証できなくなる。長い管の場合は、途中にアクセス口を設けて区間を分割して施工するのが正解だよ。

諏訪 美管
なるほど!じゃあ長さは分割して施工すれば解決ですね。

腐食孔のサイズ制限と施工のコツ - 排水管補修 5mmルール
5mmを超えると樹脂が自重で垂れ、確実に塞げません。
1層目の塗布直後に温風を当てると未硬化の樹脂が飛ぶため厳禁です。

適用範囲の総まとめ:管種・曲がり・環境のルール

現場調査時の最終チェックに使えるジャッジメント・マトリックスです。これらをクリアして初めて施工が可能になります。

チェック項目 施工可能な範囲・条件
対象管種 鉄管・塩ビ管・ヒューム管など(※排水用途に限定)
曲がりの数(配管環境による) 90°エルボ継手 3箇所まで
環境条件 管内滞水なし(完全乾燥必須)、氷点下は推奨しません

温度と湿度の管理ルール - エポキシ樹脂 施工条件
エポキシ樹脂は「水分に弱く、温度に敏感な材料」です。
曲がりが増えるとブラシの回転が伝わりにくいため、3箇所の制限を守ります。

諏訪 美管
32〜200mm、穴は5mmまで、曲がりは3つまで!数字で決まっていれば現場で迷いませんね。

管 とおる
事前調査でこのルールをシビアに確認するのが成功の第一歩。次は、機械を紹介するね。


マッドサイクロン工法を支える主要機材と専用エポキシ樹脂の全貌

チームで完結する「主要4機材」

管内更生を確実に行うため、4つの機材が連携して機能します。どれか一つが欠けても高品質なコーティングは実現しません。

  • マッドサイクロン MINI
    システムの心臓部。高速ワイヤ回転による管内研磨と、樹脂の均一な塗り広げを担います。
  • スマートミキサー
    主剤と硬化剤を2:1の黄金比で自動混合。計量ミスや攪拌不良を排除します。
  • ポンプユニット
    混合した樹脂を一定圧力でホースに送り、管内先端へ正確に届けます。
  • TVカメラシステム
    管内をリアルタイム監視。施工中の品質を「目視」で担保する必須機材です。

マッドサイクロンを支える主要4機材の紹介 - 排水管更生 機材一覧
主要機材に加え、放射温度計などで温度・湿度を管理する「環境管理」が品質を支えます。

諏訪 美管
カートリッジ方式で自動調合してくれるなら、計量ミスの心配がなくて安心ですね!でも、ちゃんと全面に塗れているかどうかって、どうやって確認するんですか?

管 とおる
そこが「2色塗り」の出番だよ。1層目と2層目で色を変えることで、TVカメラの映像を見るだけで塗り残しが一目でわかる仕組みになっているんだ。塗りむらを防いで均一に樹脂が塗れるようになるんだ。

塗り残しを防ぐ「2色塗り」の色彩戦略

画期的な仕組みが「2色塗り」です。1層目を「白」、2層目を「グレー」と色を変えることで、TVカメラ越しでも塗り残し(白の露出)を一目で判別できる「フェイルセーフ」を実現します。

白とグレーの2色塗りシステム - 排水管コーティング 塗り残し防止
モニター上で「白」が見えていれば、まだ2層目が行き渡っていない証拠。
狭い管内での目視確認の弱点を、仕組みの力でカバーします。

国産エポキシ樹脂の耐久性能

使用する専用の国産エポキシ樹脂は、過酷な排水環境に長期間耐える国内最高峰のスペックです。

特性 測定数値 比較・備考
圧縮強度 約60〜80 MPa 一般的なコンクリートの約3倍
曲げ強度 約80〜100 MPa スギ・ヒノキなど木材の2倍以上
接着力 0.53 N/mm2 サビを落とした鉄管・塩ビ管に強固に密着

「剥がそうとしても剥がれない」強固な密着力と機械的強度が、老朽管の強度を復活させ、建物の寿命を大きく延ばす鍵となります。

耐薬品性データと現場での注意点

エポキシ樹脂は強靭であると同時に、生活排水に含まれる様々な化学物質に高い耐性を持ちます。

エポキシ樹脂の耐薬品性データ分類 - 排水管環境 耐性評価
温水や油分、石鹸水・洗剤・アルコール類にも強い耐性を示します。
ただし強酸や一部の有機溶剤には弱いため、特殊排水では事前の成分確認が不可欠です。

諏訪 美管
白とグレーの2色塗りなら、私でもモニター越しに塗り残しを見つけられそうです!樹脂もコンクリートより強いなんて、配管の「新しい骨格」を作る感じですね!

管 とおる
いい例えだね。道具と材料を理解したら、次は使いこなし方だ。第4章では実際の「施工プロセス」を解説していくよ!


管内更生を成功に導く4つの施工プロセスと完全マスター(実務編)

マッドサイクロン工法の施工は「①事前調査・前処理」「②洗浄・完全乾燥」「③樹脂コーティング」「④硬化養生」の4フェーズで構成されます。
本章では各工程の作業内容と、品質に直結する重要ポイントを解説します。

成功への4ステップ!オペレーション・フロー

諏訪 美管
4つのステップ、どこが一番難しいんですか?

管 とおる
最大の関門は最初の「下地処理(研磨)」だね。塗る樹脂の接着力を高めるために管内のさびをきれいにとる必要があるから、特殊チェーンを高速回転させてサビや硬化スケールを徹底的に削り落とす。TVカメラで確認しながら進めるのが基本だよ。

特殊チェーンによる管内研磨の様子 - 排水管サビ除去 前処理
ターゲットは鉄管内部の頑固なサビ。管壁が平滑になるまで処理します。
Before/Afterの差を見れば、下地作りの重要性が一目瞭然です。

研磨後は高圧洗浄で切削粉を完全に洗い流し、カメラ映像で管壁に「金属面」が出ていることを確認します。ここが妥協できないポイントです。

続いて完全乾燥。エポキシ樹脂と水分は「水と油」の関係で、わずかな湿り気が残るだけで将来の膨れや剥離の原因になります。

乾燥後の管内映像 - 排水管更生 密着の条件
サビが落ち、湿り気も全くない理想的な状態です。
「水分を一滴も残さない」。これが樹脂を強固に密着させる絶対条件です。

仕上げは塗装です。スマートミキサーで自動混合した新鮮な樹脂を、専用ブラシの回転力で一定の厚みに塗り広げます。

  • 溜めて、広げる
    エルボ部などは手前に樹脂だまりを作り、ブラシで均一に押し広げて塗膜厚を確保します。
  • 2色塗りの徹底確認
    1層目の白、2層目のグレー。モニターで色をチェックし、塗り残しをゼロにします。
  • 最終確認と養生
    塗布後はヒーターで硬化を促進。最後は管口から「爪楊枝」で硬さを確かめて完了です。

施工完了後の排水管内部の様子 - コーティング成功事例
美しい光沢を放つ完成後の管内。
この滑らかで強靭な層が、将来のサビや漏水から建物を長く守ります。

諏訪 美管
研磨、乾燥、2色塗り!一つ一つに「プロのこだわり」が詰まってて感動しました。最後の爪楊枝チェックも忘れません!

管 とおる
基本に忠実なのが一番の近道なんだ。第5章では品質をさらに高める「温度管理」と「コスト管理」を教えるよ!


管内更生を極める!現場で差がつく高度な温度コントロールと品質管理

黄金の20〜25℃!「温度支配」の絶対条件

エポキシ樹脂には、最も美しく均一に塗り広げられる「黄金の温度帯(20〜25℃)」があります。この適正温度の維持が、高品質コーティングの絶対条件です。

放射温度計による樹脂の温度管理 - エポキシ樹脂 施工最適温度
常に「カートリッジの樹脂温度」を放射温度計で測定します。
低すぎると粘度が高く送り出せず、高すぎると急激に硬化して作業不能になります。

夏・冬を攻略する防寒・防暑装備

異常気象や空調の効かない現場でも、準備と工夫次第で樹脂にとっての「最適ゾーン」を人工的に作り出せます。

現場での施工環境コントロール(テントと保温) - 排水管更生 寒冷地対策
現場に「温度管理された作業部屋」を自ら作る工夫の一例です。
テントをブルーシートで囲い内部を暖めることで、真冬の寒冷地でも安定した品質を保てます。

どんな現場も諦めない!管内更生技術「コーティング」の劇的な成功事例

諏訪 美管
とおるさん、いよいよ最後ですね。理論はバッチリですけど、本当にあんなにボロボロの管が直るのか、まだちょっと信じられなくて……。

管 とおる
百聞は一見にしかず、だね。現場は一つとして同じ条件はない。でも正しい知識と技術があれば、どんな困難な現場でも配管は救えるんだよ。

諏訪 美管
「どんな困難な現場でも」……。木の根が詰まってたり、雪が降ってたりしても大丈夫なんですか!?

管 とおる
もちろん。今日は過酷な状況を乗り越えて「更生」に成功した事例を紹介するね。見れば不安も自信に変わるはずだよ。

諏訪 美管
プロが救ってきた現場の記録……しっかり目に焼き付けます!配管救出作戦、最後の仕上げですね!♪

マッドサイクロンコーティングでの工法は、戸建てから大型商業施設、寒冷地まで多様な現場で性能を証明してきました。
本章では、特に難易度の高かった代表的な4つの施工事例を紹介します。

木の根侵入を粉砕!屋外雨水管の劇的Before/After

屋外の雨水管・排水管では、継手の隙間から木の根が侵入し管を塞ぐトラブルが多発します。マッドサイクロンの特殊チェーン研磨は、この強固な根を内側から粉砕・除去します。

雨水管内の木根除去 Before/After - 排水管更生 研磨プロセス
左が施工前、右が研磨後です。管内を圧迫していた根や堆積物が消え、本来の流下能力が蘇りました。
この後コーティングで隙間を密閉し、木の根の再侵入を長期にわたり防ぎます。
木の根除去後の雨水管内部 - マッドサイクロン 研磨後の管内
左が施工直後。樹脂の壁ができました。
そして右が6ヶ月後の定期点検映像。全く劣化もなく、根っこの再侵入も防いでいます。

地面を掘らずに漏水を止める!団地埋設管継手部のピンポイント補修

築年数の経った団地の汚水管継手から漏水し、外壁や地盤に影響していた事例です。通常は重機で掘り返す大規模工事になりますが、非破壊工法なら「管の内側からのオペ」で解決できます。

外壁の漏水シミと管内のジョイント部分 - 排水管漏水調査
外壁のシミが漏水。下はTVカメラで捉えた原因の継手の隙間。
継手部の樹脂封鎖による漏水補修 - 団地埋設管 ピンポイント補修
欠損部をピンポイントで樹脂封鎖し、躯体や外構を壊さず漏水を止め、大幅なコストダウンを実現しました。

サビだらけの細管が蘇る!ショッピングモールの天井裏ドレン管

大型ショッピングモールの天井裏(地上高3m以上)を走る、管径50Aの細いドレン管の事例です。内部のサビコブが酷く、いつ下階へ漏水してもおかしくない状態でした。

天井裏の細管ドレン管の現場状況 - ショッピングモール 排水管更生
ショッピングモールの改修に伴うドレン管の更生工事です。
50Aの細い管で、立体駐車場のスロープ上部など、非常に作業しにくい場所でした。
細管ドレン管の研磨 Before/After - ショッピングモール 排水管補修
前処理のBefore/After。1.0m付近です。
サビが酷く、管の内側がかなり荒れていましたが、研磨によって蘇りました。
細管ドレン管のコーティング施工後 - ショッピングモール 天井裏 更生完了
コーティング完了後の映像です。コーティングによって管の更生に成功しました。

コミュニティセンター。厨房排水管の更生工事

厨房機器の下を走る非常にアクセスしづらい配管です。

三沢基地内コミュニティセンター。2024年9月、厨房排水管の更生工事です。図面の赤いライン、厨房機器の下を走る非常にアクセスしづらい配管です。
コミュニティセンター厨房排水管の更生工事です。
図面の赤いライン、厨房機器の下を走る非常にアクセスしづらい配管です。
前処理のBefore/After。1.49m付近です。左の写真、油脂分が固まったスケールで管がほとんど塞がっています。これを徹底的に削り落として、右の綺麗な状態にまで戻しました。
前処理のBefore/After。
左の写真、これを徹底的に削り落として、右の綺麗な状態にまで戻しました。
コーティング後、1.30m付近の仕上がり。汚れが付きにくい滑らかな表面に生まれ変わりました。これで衛生面もバッチリです。
コーティング後、仕上がり。
さびでボロボロだった直壁がきれいにコーティングによって厚生されました。
諏訪 美管
とおるさん、本当にありがとうございました!ボロボロの配管が蘇る姿を見て勇気が湧きました。私も「配管の救世主」になれるよう頑張ります!

管 とおる
その意気だね。配管を救うことは、そこに住む人の生活やビジネスを救うこと。これからも確かな技術で日本のインフラを内側から支えていこう!次回は「最新のTVカメラ調査技術」だよ、お楽しみに!

諏訪 美管

もっと知りたい方は次へ:
革新的な排水管コーティングシステム:サビ除去から保護まで(第27話)

マッドサイクロンの4機材がどのように連携するか、カートリッジ自動調合や2色塗りによる確認方法など、システムの全体像をマンガ形式でやさしく解説しています。


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